長野県の建築
Nagano Architecture

作品 データ
1933 ペイネ美術館 アントニン・レーモンド  長野県軽井沢町
Antonin Raymond/Nagano
もともとレーモンド自身の山荘「夏の家」をGK設計が移築、再生したものである。
現在はペイネ美術館として公開されている。 軽井沢タリアセンのなかに今は存在している。
コルビジェの未完の邸宅「エラズリス邸」との類似性が話題を呼んだ。
前川國男や吉村順三もこの山荘ですごしたらしい。
やたら急勾配な二階へのスロープもなかなかのものである。
居間は引き戸をすべてしまいこむと開放的な空間になるらしいが
美術館になってるので全部しまっていて悲しかった。。
1935 聖パウロ教会
St. Paul's Catholic Church
アントニン・レーモンド 長野県軽井沢町 Docomomo100
Antonin Raymond/Nagano
チェコスロバキアの教会の伝統をそのまま取り入れた外観と、
伝統とは違ったレーモンド独自の内部のなぐり仕上げによる丸太露出が特徴的である。
聖パウロ像を石彫の代わりにセメントでつくっている。
外観を観たとき「いまいちかな」と思ったが、内部空間はその考えを取り消したぐらいすばらしかった。
丸太でつくった席なども雰囲気を醸し出していてよかった。 '00.1.11
1958 碌山美術館
今井兼次 長野県穂高町
穂高町出身である荻原碌山の遺作を展示する美術館である。
碌山は日本近代彫刻の先駆者であったが31歳という若さで亡くなった人で
渡仏してロダンに師事していたこともあります。
この美術館は日本で最初の個人美術館であり、建設には多くの人々の寄付によって
なされたそうです。
建物はRCの構造体に煉瓦を積んであり、碌山が敬虔なクリスチャンであったことから
教会のような外観をしていて、ところどころに十字架のデザインなどもみられます。
また今井氏は碌山がセガンティーニに傾倒していたことから、
スイスにあるセガンティーニ美術館に模したデザインにしたそうです。
今井氏の設計によく見られる細かい造詣がとても美しく、入口の扉のノブが人の形に
なっていたのもすごくよかったです。
煉瓦に蔦が絡みついた姿はすごく美しいのでぜひ訪れてほしい美術館です。 '04.8.23
1963 門構えのオフィスビル
林雅子/林・山田・中原設計同人 長野県長野市
長野市の市街地につくられた建設会社のビルである。
手前に3階建ての低層部、奥に8階建ての高層部があり、第一期に低層部、
第ニ期(1975年)に高層部が増築されています。
第一期が建てられた頃は周囲の建物は木造が主流だったため、
瓦屋根をのせることで調和を図ることを意図したようです。
さらに建設会社であり増築されるまでは奥が駐車場だったことから
大型車が進入できるよう巨大な門型の建物としたそうです。
現在は「アイビースクエア」という名称に変わっていて、低層部にカフェやレストランが入り、
建物はツタが覆った味わい深い場所となっていました。 '06.10.23
1970 脇田邸
Mountain Lodge B at Karuizawa
吉村順三設計事務所 長野県軽井沢町
Junzo Yoshimura/Nagano
軽井沢に建てられた画家の脇田和のための住宅である。
現在は1991年につくられた脇田美術館の敷地内で美術館と向かい合うように建っています。
建物は庭を囲むように長く折れ曲がった配置計画となっていて、
湿気の多い軽井沢を考慮して1階部分をピロティとし、上部を居住空間としています。
この建物は原則非公開ですが年1回くらいは見学できるみたいです。
次回見学出来る時は参加して、内部空間とディテールを堪能したいです。
ちなみに庭に面した脇田美術館はこの建物を意識したデザインとなっているようですが、
イマイチです。。 '07.12.20
1975 小山敬三美術館
村野藤吾/村野・森建築事務所 長野県小諸市
小諸市にある懐古園のなかにつくられた小諸市出身画家、小山氏の美術館である。
粗いスタッコ仕上げの外壁が木々で囲まれた敷地の中から隆起してきたような外観がすごいです。
うねるような外観がそのまま内部空間にも反映されていて傾斜や曲面がよく見られる。
西側部分が後に増築されてしまっているため、そこが雰囲気を少し壊してしまっているのが残念でした。 '01.6.29
1976 北斎館 宮本忠長建築設計事務所 長野県小高井郡小布施町
古い町並みで有名な小布施町の中心施設。
かなり晩年に葛飾北斎がすごしたということで彼の作品を展示する美術館がつくられた。
美術館自体は景観を考えたものとなっているため建築家にありがちな奇抜なものはみられない。
それとともに小布施町の町並修景計画の中心施設となった。
この町の計画は、共通事項だけを確認しあい、
あとは個々のペースで施工され、調整を建築家が行うというものである。
かなりの成功を収めているらしく観光客がたくさん来ていましたが
個人的には岡山県の倉敷とならんでうそくさい町並みと思いました。 '99.10.15
1981 森工房
原広司+アトリエφ 長野県坂城町
長野県につくられたリトグラフの作品を作る工房及び展示スペースである。
周りは野菜畑やガーデニングをした庭などとても素敵な環境づくりをされています。
モノトーンな色彩から成る建物構成は原氏独特なものですが、
同年竣工の「末田美術館」に見られるどぎつい感じの黒ではなく、
この建物は落ち着いた雰囲気でよかったです。
原氏といえば最近の巨大建築を思い浮かべがちですが、
この建物や個人住宅のような小建築にも違った魅力があって好きです。
(最近の個人住宅はちょっと理解しにくいものもありますが。。) '02.11.7
セゾン現代美術館 菊竹清訓建築設計事務所 長野県北佐久郡軽井沢町
軽井沢に多く存在する美術館のうちの一つである。
東京、品川から移転された美術館である。
収蔵品もかなり良い作品があり、みどころは軽井沢で最もあるんじゃないだろうか。
周りの環境とよく調和した建物はとても良かったが、
現代美術だからなのかよくわからないが建物にアプローチする時の橋が
鉄板なのはいただけないと思った。'99.8.21
長野市立博物館
1981年日本建築学会賞
宮本忠長建築設計事務所 長野県長野市
川中島の歴史を刻んだ八幡原史跡公園内にたつ博物館である。
真中の平屋のエントランスホールを挟んで東側が常設展示室、
西側が特別展示室とプラネタリウムになっています。
コンクリ打放しの円柱とコルテン鋼による軒の深い屋根が特徴的な外観である。
勾配屋根のシルエットは宮本さんが幼少時代を過ごした信州の山並みを
重ねて設計したそうです。
建物の細部にわたるデザインのこだわりが回廊にすごく出ていて一番気に入ったのですが
現在のアプローチではこの回廊は全く使われていないのが残念でした。 '03.1.10
1982 日本浮世絵博物館
篠原一男 長野県松本市
RCの箱を6つ連続させた建物に幾何学的な図案が用いられている。
浮世絵と幾何学はかなりのつながりがあるらしい。。
しかし、浮世絵の知識がほとんどない僕としては入館料千円は痛い。。
展示空間もかなりせまい! 
ロビーは光が多く取り入れられて良かったが。。
1985 信濃デッサン館槐多庵
北川原温建築都市研究所 長野県上田市
Atsushi Kitagawara Architects/Nagano
上田市の前山寺のすぐ近くにつくられた美術館である。
信濃デッサン館には「デッサン館」、「槐多庵」、「無言館」の三館があり、
才能がありながらも若くして亡くなった画家のデッサン等が展示されています。
無言館には戦争によって亡くなった画学生の作品や遺品を展示していて鎮魂美術館となっています。
これら三館のうち「デッサン館」、「無言館」は窪島誠一郎氏(館主)により設計されており
「槐多庵」のみが北川原氏の設計であり、村山槐多の作品を展示する美術館である。
ファサードは赤い壁になっていて、エントランスを入ると
1階と2階の間につくられたブリッジに立つことになり目の前に空中階段が設置されています。
内部は2層吹抜けの空間が広がり、白で統一された落ち着いた雰囲気になっています。
入ってすぐのブリッジには手すりがないためバランスを崩すと落下してしまいそうです。。 '03.6.26
1986 田崎美術館
原広司+アトリエφ 長野県北佐久郡軽井沢町
昭和61年日本建築学会賞
田崎廣助画伯を記念する個人美術館である。
冬季は休館であるため夏をイメージして設計された。
シルバーとグレーを基調とした色彩の建築と、ガラスを通してみえる中庭の緑が
見事なコントラストを醸し出しており気持ちがいい。
しかし中庭の手入れがかなりなっていなくて芝生が汚くなっていた。。 '99.10.18
1988 軽井沢高原教会
内村鑑三記念堂
ケンドリック・バンクス・ケロッグ 長野県軽井沢町
軽井沢にある石の教会です。横にあるホテルの教会になっている。 結婚式がよく行われています。
結婚式がないときは自由に中が見学できます。
形のアンバランスなRCのあいだにガラスがはまっています。
洞窟のようなイメージなのに中はとても明るい!
設計者のケロッグはライトの流れをくんでいるらしい。。
地下は内村鑑三の記念堂になっている。
飯田市美術博物館
原広司+アトリエ・ファイ 長野県飯田市
飯田市の郊外につくられた文化施設である。
飯田市出身の画家である菱田春草の記念展示室を持つ美術館と、
伊那谷一帯の自然と文化を紹介する博物館から構成されています。
建物全体は原氏が日本建築学会賞を受賞した「田崎美術館」を大きくしたというイメージです。
屋根の形は南アルプスを連想させ、ロビーの列柱とトラスは森を思わせるように設計されているそうです。
屋根の形はともかくとしてロビーの列柱はちょっと多すぎて、うざい感じがしてしまいました。
飯田城跡に建てられたため、建物周りは城の遺構を再現しようとするデザインが見られますが、
この現代建築と城跡というのはかなりのアンバランスに思われました。
飯田市は原氏の出身地であるため、彼は故郷に錦を飾ったということかも知れませんが、
この建物は地元の人からは受け入れられているのでしょうか。少し不安になりました。。
'04.3.31
八ヶ岳高原音楽堂
吉村順三設計事務所 長野県南牧村
八ヶ岳連峰の標高1565mの高地に存在する音楽堂である。
三角形のグリッドを基本として設計されており、六角形の音楽ホールは周囲をぐるりと
開口部にすることにより開放的な空間になっています。
後に同じ吉村氏によって設計された草津の音楽堂もこれにそっくりです。
ここを見に行ったときは行けども行けどもたどり着かず、すごくやきもきした記憶があります。
しかし、着いたときは環境の良さに感動しました。こういった自然の中に木のホールは良いです。
別荘地の中にあるのですが、実際使われているのでしょうか? '02.6.19
1989 長野県信濃美術館
東山魁夷館
谷口吉生/谷口建築設計研究所 長野県長野市
東山画伯が所蔵する全作品の寄贈をうけて計画された美術館である。
もともとあった信濃美術館のとなりに通路でつながるようにつくられた。
丸亀市の猪熊画伯の美術館もそうだったが、内部空間がとてもいい。
そして、ラウンジから見る外の池もとてもすばらしい。
でも外壁がすごくちゃちく見えるのは残念だった。
アンフォルメル中川村美術館
毛綱毅曠建築事務所 長野県中川村
長野県の山深い中川村につくられた美術館である。
美術館棟、彫刻館棟、便所棟、シンボルタワーという複数の建物から構成されています。
メインの美術館棟前にはシンボルタワーと便所棟があり、ガラス張りのエントランスホールの
向こうに列柱の並ぶテラスが設けられ、南アルプスを眺めることが出来るようになっています。
そして少し離れた場所に楕円形の展示室を持つ彫刻館が配置されています。
展示されている作品は第二次大戦後の西欧の前衛芸術運動であるアンフォルメルなので、
構造体がむき出しであったり、赤などの原色を使った毛綱氏による派手なデザインは
うってつけだったような気がしました。
ただ、美術館は非常に山奥にあり、アクセスには苦労しました。
もうちょっと行きやすい場所に建ててくれたらいいのに。。 '05.9.28
1991 神長官守矢史料館
藤森照信+内田祥士 長野県茅野市
建築探偵の藤森照信さんが初めて設計した建築です。
諏訪大社の筆頭神官である守谷家の歴史的資料を展示する施設である。
施設のある村は藤森さんが生まれ育った場所だそうです。
平面的には長方形の奥に45°振った正方形をつないだだけのシンプルな設計ですが、
外観のインパクトはすごいものがあります。
構造はRC造ですが、仕上げ材を自然素材としているため現代建築らしさは見えなくなっています。
屋根は地元特産の鉄平石葺き、外壁はワラを混ぜたモルタルとサワラの縦貼りで、
正面ファサードを見ると荒く仕上げたミネゾウが屋根を貫いています。
展示空間は小さいですが、狩猟時代から守矢家が伝えてきた祭祀を復元しており
串刺しのウサギなどがちょっと不気味に飾られていました。
館長さんに「建築関係の人ですか?」と聞かれたので「そうです」と答えると
丁寧に建物が出来るまでの過程や使い勝手などを説明していただきました。 '05.4.4
1993 下諏訪町立諏訪湖博物館・
赤彦記念館
伊東豊雄建築設計事務所 長野県下諏訪町
諏訪湖のほとりにつくられた博物館である。
長く緩やかなカーブを描くシルバーな外観と木による内観のギャップがとてもいいです。
長野県出身の歌人島木赤彦の展示と諏訪湖の博物館というなんともミスマッチなところが笑える。
諏訪湖は「げたスケート」発祥の地らしいことがわかった(笑)
展示スペースの緩やかなカーブを描く天井と間接照明が幻想的である。
宍道湖にある島根県立美術館もそうであったが、やはり景観への配慮ということで
建物の高さが押さえられてのぺっとしているのかなあ。。 '00.6.29
窪田空穂記念館
柳澤孝彦+TAK建築・都市計画研究所 長野県松本市
歌人である空穂の生家の前につくられた記念館である。
信州の代表的な民家の構造である本棟造りを採用している。
室内は落ち着いた色でまとめられており、二つの建物をつなぐ
真ん中の建物は二階がすりガラスの面を持ち光を取り込んでいる。
屋根の素材をもう少し工夫してほしかったと思った。。 '99.9.1
1996 安曇野ちひろ美術館 内藤廣建築設計事務所  長野県安曇野
東京にある「ちひろ美術館」の姉妹館みたいなものです。
前からずっと行ってみたかったのでうれしかったっす。
平屋の建物が整備された公園の丘の上に立っていて良いです。
公園のなかには長野にあったちひろの別荘をそっくりもってきた
建物もあり、花が咲き乱れていて子供が楽しそうにかけまわっていました。
木を使った暖かい内装がとても良かった。 夜のライトアップも綺麗(らしいです)。
1997 小海町立高原美術館
安藤忠雄建築研究所 長野県南佐久郡小海町
安藤の建築はほとんどが西日本に集中していますが、
これは珍しく長野県の山の中にある高原美術館です。
円形につくられた展示室、光の差し込む回廊等から成り立っています。
回廊の光の使い方はかなりよかったです。
パンフや半券をみると「設計者 安藤忠雄」とでかでかと書いてある。。
この建物の横に展望台のようなものがあったので上ってみると、
景色など全く見えず、ただ美術館が上から見下ろせる。
わざわざそのためだけにこの展望台をつくったのだろうか? '99.10.16
NHK長野放送会館
みかんぐみ 長野県長野市
最近僕が注目している建築集団みかんぐみの作品です。
初めて「みかんぐみ」と聞いたときは「ふざけてんのか」と思いましたが
なかなか好い作品を作ってます。
確かコンペでみかんぐみが勝ってできた建物だったと思います。
ルーバー状になったファサードとそこに赤で描かれた「NHK」の文字が特徴的です。
1階及び地下は見学できるコーナーになっていて、さらに地下は実際に職員さんが働いている姿を
ガラス越しに見ることができるようになっています。
でも働いている時に見学されるって嫌やろうなあ。。と思ってしまった。 '02.8.20
ひかり味噌本社屋
柳澤孝彦+TAK建築・都市計画研究所 長野県下諏訪町
主要幹線沿いに建つ味噌会社の本社屋である。
間口が狭く奥行きの長い敷地に工場があり、この本社屋はその工場への門の役割も
果たしています。そのため、デザインも門をイメージしています。
1階が講堂、2階が事務室になっています。
柳澤氏の設計はいつも洗練されたものを感じますが、この建物は小建築であるだけに
よりそれを感じることが出来た気がしました。やはり大手ゼネコン出身の人は違います。
'02.12.6
山ノ内町立
志賀高原ロマン美術館

黒川紀章建築都市設計事務所 長野県山ノ内町
志賀高原のゲレンデのふもとにつくられた美術館である。
ローマ時代のガラスを中心とした常設展示が行われています。
展示棟とレストラン棟の二つの建物を通路で結んだ設計になっています。
展示棟は、楕円形をずらして一部を開いた形になっていて、
その開いた部分がエントランスになっています。
外壁はコンクリートにチタンチップを埋め込むという「姫路市中央保健センター」や
「愛媛県総合科学博物館」で用いられた手法がとられています。
展示室は暗くなっていて円錐形のガラスのケースの中にローマングラスが入れてあり
幻想的な空間作りがなされていました。
展示棟に対してレストラン棟はガラスによる円錐形のシンボリックな外観になっています。
抽象的形態にゆがみを与え環境と共生する場を創り出すという「アブストラクトシンボリズム」
の考えがこの建物には反映されているそうです。
ただ、展示棟は内部空間はすばらしいものの外観は不恰好でちょっとイマイチです。
エントランスへのアプローチも押しつぶされそうであんまりでした。
アプローチに張った水も汚かったです。。 '03.5.11
上田市農林漁業体験実習館 北川原温建築都市研究所 長野県上田市
Atsushi Kitagawara Architects/Nagano
上田市の中心部から西に向かったのどかな山村風景の中につくられた施設である。
農産物直売所や食堂、温泉「ささらの湯」などで構成されていて道の駅っぽいです。
高低差のある敷地に黒い大屋根が連なる外観は集落的なイメージを抱きました。
木を使った落ち着いた雰囲気ですが、ポリカーボネートなどを使った現代的な
デザインを上手く組み合わせています。
北川原氏は上田市出身なので、初期の「信濃デッサン館槐多庵」やこの建物を
設計したということは故郷に錦を飾ったということですかね〜。 '06.12.29
1998 大田区休養村とうぶ
伊東豊雄建築設計事務所 長野県東部町
東京都大田区民のためにつくられた保養施設である。したがって区民しか泊まれないようです。
細長いドーナツ状(完全に閉じられたドーナツではないので、
ブーメラン状といったほうがいいのでしょうか。。)
の建物であり、真ん中に広い中庭をつくり、
それに向かって廊下や部屋の開口部が設置されています。
内側が開放的なのに対して、外側は黒の壁がそびえている感じで外部をシャットアウトしている
ようでもありました。
敷地の高低差を利用するとともにスロープをうまく使った階数の変化が巧みに使われていて
面白い施設でした。 '01.12.17
長野市今井ニュータウンA工区
新居千秋都市建築設計、後澤建築設計事務所、
竹村建築設計事務所、第一設計 長野県長野市
1998年に開催された長野オリンピックの選手村として建設され、
開催後にニュータウンとして再整備された集合住宅である。
全部で7工区に分かれていて、全ての工区が東京や大阪の事務所から1社と
地元の事務所数社によるJVによって設計がなされました。
この工区は4棟から構成されていて、2棟ずつが中庭を挟んで平行に配置されていて
全ての住棟をつなぐように回廊を巡らせています。
もっとも特徴的なのが住棟の妻側に設けられたガラスによるウインターガーデンと
名付けられた集会施設で、真冬でも暖かい空間になるよう設計されています。
外観は「大館市営水門前住宅 スワンハウス」と共通するものがあり、
一目で新居さんの建築だと分かるデザインでした。 '06.1.5
長野市今井ニュータウンB工区
長谷川逸子・建築計画工房、エル設計事務所、
誠設計事務所、基設計事務所 長野県長野市
長野オリンピック選手村として整備されたニュータウンのB工区である。
選手宿舎に使われた後、最終的には市の分譲住宅となりました。
東隣にあるA工区(新居千秋設計)と同様に中庭を囲い込むプランですが、
こちらは外周道路の形状に合わせて住戸が緩やかなカーブを描いています。
長谷川氏が多用しているパンチングメタルがこの建物でも使われていました。
また、南側のバルコニーにはガラスで覆われたサンルームが設けられていました。
この建物を見たときに長谷川さんは黄色の使い方がうまいなあ、と思った記憶があります。
ここでは建物を縦に貫く管などに黄色が使われていて、外観のワンポイントになっていました。
'06.1.7
長野市今井ニュータウンC工区
内藤廣建築設計事務所、宮本忠長建築設計事務所、
団設計、アーキプラン 長野県長野市
長野オリンピック選手村として建築され、開催後に集合住宅として再整備した
ニュータウンのC工区で、ここは県職員住宅となっています。
東京の事務所(内藤さん)と長野の事務所(宮本さん他)の組合せで設計しており、
他の工区では長野の事務所は全国的にはやや知名度が低いんですが、
ここは宮本さんなのでかなりメジャーです。
真っ白な建物で、格子状になっている立面が非常に特徴的なデザインでした。
最も特徴的なのはガラス屋根が架かる吹き抜け空間でしたが、
残念ながら写真が見つかりません。。
ただ、なんとなく内藤さんらしさみたいなものは薄いような気がしました。
回廊部分の木による低層の建物が一番気に入りました。 '06.1.8 
長野市今井ニュータウンD工区
富永譲+フォルムシステム設計研究所、山口設計事務所、
岡澤仁建築設計事務所、関建築+まち研究室 長野県長野市
JR今井駅の駅前につくられたニュータウンである。
7工区のそれぞれの住棟を別の建築家が設計しており、富永氏他はD工区を設計しています。
敷地は東側にある「ひだまり広場」への歩道があるため、東南部がやや削られた正方形で、
住棟の配置はコの字型を少し変形したものとなっています。
そしてコの字が外部へと開いている部分に低層の建物(集会室?)を設けています。
デザイン的にインパクトとなっていたのは、白いコア部が一段飛び出ていることと、
平面的に一部を円形に切り取っていることでした。 '06.1.8
長野市今井ニュータウンF工区
元倉真琴 スタジオ建築計画、エーシーエー、金井設計、
植田設計 長野県長野市
数多くの有名建築家が各々の住棟を設計した今井ニュータウンのF工区である。
この工区だけがF1工区、F2工区、F3工区と3種類の建物が分散配置されています。
F1工区はニュータウンの中央に配置されており、14階建ての高層で、
全ての工区の中でも最も高くランドマークになっています。
F2工区はコの字型の配置になっていて、G工区と合わせて中庭を取り囲んでいます。
F3工区はニュータウンの北東のはずれに設けられていて、ガラスのブリッジやエレベーターなど
このニュータウンで最もガラスを多用した立面となっていました。 '06.1.8
長野市今井ニュータウンG工区
遠藤剛生建築設計事務所、アルス設計、新長野設計、
北沢建築研究所 長野県長野市
オリンピック選手村としてつくられた集合住宅で、最終的には市営住宅として使われています。
ニュータウンの北西部に位置し、中庭を取り囲むようにコの字型の配置としています。
ニュータウンの中で最も複雑な外観をしている住棟で、最上階の飛び出した住戸や
格子状のフレームが連続する立面、路地状の通路などが面白いデザインとなっています。
この建物を見ているとアジアにある混沌とした街のような雰囲気を感じて仕方がなかったです。
'06.1.9
1999 飯田市小笠原資料館 妹島和世+西沢立衛/妹島和世建築設計事務所
長野県飯田市
国の重要文化財である旧小笠原書院に併設するようにつくられた資料館である。
80mのガラスの箱を6本の柱で支えており、箱の下にある白い円筒形の部分が事務室である。
そこで入場券を買って裏側にあるスロープを通ってアプローチする。
ただの直方体の箱かと思いきや、少しうねっている。
黒を貴重にしたロビー部分には、面白い椅子がおいてあり、
そこに座ると窓の四角に切り取られたところから
(他の部分はガラスに模様がつけてあり外は見えない)旧小笠原書院が見えるようになっている。
展示室は逆に閉鎖されており、白を基調にした明るい空間を作り出している。
柱で持ち上げているため結構揺れるのが面白いです。 '01.3.1
2001 サードミレニアムゲート
竹山聖+アモルフ 長野県松本市
松本市の中心部につくられた商業ビルである。
元々雑多な街であった場所が土地区画整理事業により整備された区画につくられました。
何かの用事で松本に来たときにぶらぶら歩いていて偶然発見したときはかなりびっくりしましたが、
ちょうど竣工直前で柵があったために内部に入れませんでした。
その後、松本市美術館を見に来たときにようやく内部を見ることが出来ました。
川に面した角地で非常に目立つ場所に建っており、所々に開口部を設けた屈折したRCの壁を
層のようにずらして配置しています。
壁とスラブに囲まれた空間の多くは空中回廊や階段になっていて、壁に張り付くようにして
テナント空間が設けられていました。
そのため、正面から見ると回廊や階段を通して視線が建物の向こう側に抜けるようになっています。
出身の関西では最近活躍していない竹山さんですが、地方都市ではがんばっているようで嬉しいです。
'05.6.10
2002 松本市美術館
宮本忠長建築設計事務所 長野県松本市
松本市の中心部につくられた美術館である。
ファサードは全面が乳白色のガラスになっていて
夜には仄かな光を外部に照らし出す設計になっていました。
1階のピロティをくぐると芝生と小川を配した広い中庭に出ることができ、
美術館が閉まっている時間帯でも自由に入れる開放的な空間となっています。
建物は中庭を囲い込むように配置されていて、
伝統的な造形をふまえた落ち着いたデザインとなっていました。
建物は城下町の修景を損なわないように設計したらしいのですが、
建物前に置かれている草間彌生さんのアートが修景を損なってしまっているような気が。。 '03.8.12
星野温泉/トンボの湯+村民食堂 東利恵 東環境・建築研究所 長野県軽井沢町
軽井沢に古くからある星野温泉の敷地につくられた公衆浴場とレストランである。
浴場とレストランを別棟にし、芝生の広場が広がる敷地にやや軸線をずらして配置されています。
浴場はシンメトリックな平面になっていて、アプローチの屋外廊下の真ん中を流れる水を挟んで
左右に男風呂、女風呂に分かれています。
それに対して、レストランは楕円形平面によるガラスの開放的な空間になっていて、
周りの風景を楽しむことが出来るようになっていました。
濃い灰色の外壁や切り妻屋根、竪格子など落ち着いた雰囲気を醸し出していて、
周りの緑にうまく溶け込むことに成功していました。
町なのに村民食堂というネーミングをしているのが気に入りました。 '05.1.8
飯田高羽合同庁舎
原広司+アトリエ・ファイ 長野県飯田市
飯田市につくられた税務署や測候所、労働基準監督署などが入った合同庁舎である。
地方の庁舎らしくこぢんまりとした4階建ての建物ですが、測候所が入っているため
観測塔が設けられていて、そのためインパクトのある建物となっています。
また建物を南北に二分するように中央に吹き抜けのアトリウムが設けられていて
斜めに架けられたブレースがダイナミックでかっこよかったです。
原さんは飯田市にこの建物以外に「飯田市美術博物館」も設計していて、
どういう繋がりなのかなあ、と思っていたらどうやら飯田高校出身みたいです。 '05.1.29
2003 安曇野高橋節郎記念美術館 宮崎浩/プランツアソシエイツ 長野県穂高町
現代工芸美術界を代表する漆芸術家である高橋節郎の美術館である。
彼の生家のある敷地に新たに美術館を建築するとともに、既存の建物の修復も行われました。
建物は低層の水平線を強く感じさせる外観で、水を張った中庭を囲うようにL型の平面になっています。
美術館は中庭をはさんで既存の建物と向かい合うように配置されています。
展示室以外の空間は中庭を感じられるようにガラス面を多用しており、室内からも外部を
感じることができますが、僕が見学した日は大雨であまり美しい状態ではありませんでした。
エントランス前にある水庭に浮かんでいる円形のものは、空調の設備だそうで、
ここから外気を取り込み、建物内外の壁の間に設けられた空間で温度をうまく調節できるように
出来ているそうです。
すごく宮崎さんらしい繊細な建物でしたが、展示空間が狭すぎます。
観覧料は安曇野にしては安いですが、あっという間に見終わってしまいました。。 '04.4.28
奥社の茶屋
Soba Restaurant at Togakushi Shrine
隈研吾建築都市設計事務所 長野県戸隠村
Kengo Kuma & Associates/Nagano
戸隠村の神社前につくられた蕎麦屋である。
建物は存在感をなくすように全体が黒で統一された低層の小さく細長いものになっています。
食堂となっている南側は木とツインカーボによる格子になっていて、外の景色を
楽しむことができ、格子から差し込む柔らかな光が内部を気持ちの良い空間にしていました。
戸隠そばはとても有名なのでせっかくだから食べていこうと思って、おなかを空かせて向かった
のですが、残念ながら10分ほどまえにラストオーダーでした。。
仕方がないので入口横で販売している蕎麦ソフトを食べながら見学してきました。。 '04.2.1
2004 まつもと市民芸術館
伊東豊雄建築設計事務所 長野県松本市
松本市の中心部、市民会館跡地につくられた1800席の主ホールと240席の小ホールを中心とした施設である。
足跡のような形をした細長い平面をしており、敷地周りはすべて道路に囲まれています。
外観を特徴づけているのは、ガラスをはめ込んだGRC版(ガラス繊維強化プレキャストコンクリート版)による
外壁で、所々が透明のガラスによる開口部となっていて内外を一部透過させています。
エントランスを入るといきなり緩やかな大階段があり、上っていくとシアターパークと名付けられたホワイエ空間に
たどり着きます。ここに置かれたうねうねしたベンチに座ってアコースティックギターを奏でている人がいて
すごくいい雰囲気をつくり出していました。
さらに奥へはホールの客以外は入れないので見学できませんでしたが、
ホール周りをぐるりと回遊できるホワイエも特徴的です。
屋上も開放されているので行ってみましたが、夕方だったこともあってか誰もいませんでした。
確かにそれほど広い空間でもないし、高い建物ではないから景色がいいわけでもないし、
音楽家を称えた銅像と、隅の方に小鳥と戯れる裸の女性像が置いてあるだけなので魅力は少ないかも。。
屋上からエレベーターで下りていると2階にあるレストランが見えるのですが、調理場が上から丸見えなのが
ちょっと嫌な感じでした。。 '04.12.16
高過庵
藤森照信 長野県茅野市
おもしろ建築を設計する建築史家、藤森照信さんがつくった樹上建築である。
のどかな田園風景のなかにぽつんと佇んでいます。
たどり着いたとき、子供の頃に憧れた秘密基地のような懐かしさを覚えました。
畑に2本のクリの木を立てて、地上から5〜6mの高さに小さな建物を乗せています。
外壁の土の仕上げが非常に自然に溶け込んだ色合いで良かったんですが、
びっくりしたのは、屋根が手作りの波板銅板だということです。
ぱっと見たら自然素材としか思えないです。
一度でいいから上にのぼって風景を眺めてみたいものですね〜。 '05.11.28
軽井沢・プリンスショッピングプラザ
レストラン アーティチョーク

柳澤孝彦+TAK建築研究所 長野県軽井沢町
軽井沢駅前にあるプリンスショッピングプラザの一角につくられたレストランである。
ここのショッピングプラザはすごく儲かってるみたいで、どんどん増築されていて、
2004年に「ニューイースト」とともにこの建物が新たに建築されました。
ほとんどの建物を池原義郎さんが設計しているのでこれだけ柳澤孝彦さんというのが意外でした。
二つの正方形を45度ずらして重ねたような平面に木材をラチス構造にしたデザインが特徴的で、
内部の中央にあるラチスは「せんだいメディアテーク」を思い出させました。
フランス地方の料理を出すレストランということで、建物名称は食材の「アーティチョーク」としており
また、建物のデザインもアーティチョークに似た形をしています。
正直言うとこの建物を知るまで食材の「アーティチョーク」が何なのか知りませんでした。
ヨーロッパではメジャーな食材みたいですが、日本ではあまり知られてないみたいです。
あと、すぐ目の前に鉄の籠による建物「ピッコラ ロトンダ」があったんで
これも柳澤さんなのかと思ったらこれは池原さんだそうです。 '06.4.14
2005 軽井沢クリークガーデン
山本良介アトリエ 長野県軽井沢町
旧軽井沢の本通りに面した場所につくられた結婚式場とホテルである。
最近山本良介さんはワタベウエディングとのコラボをしていてここもその一つです。
通りに沿って設けられたカフェは勾配屋根による建物とし、
これまでの通りに連続する街並みをうまくつくり出していました。
奥にあるチャペルやバンケットなどは木のスケルトンになっていて
周りの木々や小川といった自然を感じることができる設計としています。
チャペルの祭壇裏は木の柱を複雑に組み合わせて樹木を表現し、
ガラス越しにその向こうの自然を見ることが出来るようになっています。
残念ながら式の準備中で内部には入れなかったので、
周りから木々の間に見えるチャペルなどを必死で見学してました(笑) '06.7.2
茅野市民館
Chino Cultural Complex
古谷誠章/NASCA+茅野市設計事務所協会 長野県茅野市
2007年日本建築学会賞
Nobuaki Furuya, NASCA+Chino Association of Architectural Firms/Nagano
JR茅野駅と直結する位置につくられた複合文化施設である。
大小二つのホールと図書館、美術館、市民ギャラリーなどから構成されています。
駅の高架通路から直接スロープ状の図書館にアクセスできるようになっていて、
そこはガラスで囲まれた開放的な空間となっています。
図書館を抜けると、庭を囲むようにロビーやレストランなどが配置されています。
電車の待ち時間で快適な図書館に寄ることが出来るのが非常にうらやましいです。
竣工後に大ホール座席のかさ上げ工事が発生するなど多少の問題があったみたいですが、
学会賞を受賞するに値する力作だと思いました。 '07.4.12
2007 ギャラリー桜の木 軽井沢店
Gallery Sakuranoki
中村拓志/NAP建築設計事務所 長野県軽井沢町
Hiroshi Nakamura & NAP/Nagano
軽井沢駅から北へと延びるメインストリート沿いに建つギャラリーである。
建物は緩やかな勾配を持つ片流れの屋根を持つ奥行きの長いシンプルな形態ですが、
アーチを持つ大小の開口部がかわいい表情をつくり出しています。
アーチを持つエントランスから中をのぞくと、一番向こうの外壁まで
同じアーチの開口部が連続して並んでいて、内部へと僕を誘っているようでした(笑)
内部は7つの部屋で構成されているのですが、壁の仕上げを部屋毎に変えているのが
面白かったです。レースを綺麗に貼るのは難しかっただろうなあ。 '09.8.25
長野県稲荷山養護学校
Inariyama Special Education
School for Children

北川原温建築都市研究所 長野県千曲市
Atsushi Kitagawara Architects/Nagano
千曲市の既存の養護学校の建て替えである。
黄色いガルバリウムの屋根が垂れ下がっている建物が並ぶ姿は不思議な景色です。
黄色を選んだのは稲荷山→お稲荷→油揚げ→黄色という感じですかね。
そういう目で見ると屋根の形もキツネをモチーフにしているような気がします。
県産材のカラマツによる木構造は、「岐阜県立森林文化アカデミー」で採用された
木材同士が互いにめり込む力でバランスをとるという「めりこみ」がここでも使われています。
'09.11.7


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