東北の建築

県名 作品 データ
山形 1967 寒河江市庁舎
Sagae City Hall
黒川紀章建築都市設計事務所 山形県寒河江市
Docomomo100
Kisho Kurokawa Architects and Associates/Yamagata
黒川氏の最初期の建築である。
スロープを上った二階からアプローチし、内部に入ると四層吹抜けの空間になっており
大変開放的である。天井から吊下がっているオブジェが特徴的でした。
外観は今にも首が折れそうな頭でっかちの建物に見えますが、
4本のコアシャフトと梁によって吊り下げられており安全です(笑)
僕が見学に行ったときは前の広場でお祭りが行われており、人で賑わっていました。
'02.10.22
(追記)ホールの天井から吊り下がっているオブジェは岡本太郎の「生誕」という作品
だということを知りました。何で気付かなかったんだろ。。 '06.7.8
1991 酒田市国体記念体育館
Sakata Kokutai Kinen
Gymnasium

谷口吉生/谷口建築設計研究所 山形県酒田市
Yoshio Taniguchi/Taniguchi and Associates/Yamagata
酒田市につくられた体育館である。
すぐ近くに同じく谷口氏が設計した「土門拳記念館」があります。
大小二つの体育館を真中にエントランスを設けて並べています。
二つの体育館の屋根から張り出すウイングが並ぶ姿は軽快です。
手前の体育館側には円弧状に目隠しをした内側に野外ホールのようなものをつくり
奥の体育館側には弓道場を配置しています。
なかなか工夫が凝らしてありますが、やはり「土門拳記念館」を見てしまうと
印象は薄れてしまいました。
僕が見に行った日は女子の弓道大会が開かれていて、建物を写していても
変な目でみられて恥ずかしかったです。。 '02.11.1
1993 JR赤湯駅
JR Akayu Station
鈴木エドワード建築設計事務所 山形県南陽市
Edward Suzuki Associates/Yamagata
1992年の山形新幹線開通を目指してつくられたJRの駅舎である。
赤湯はハングライダーのメッカであることから、駅舎のデザインもハングライダーのウイングが
モチーフとなっていて、三日月型の二枚の大屋根が重なっています。
内部には実物のハングライダーを天井から吊してありました。
ガラスを多用することによって開放的な空間を作り出していて、
夜には内部の光が暗いまちなみに浮かび上がるようになっています。
大屋根から滑り落ちた雪の処理の配慮がなされていなかったために、
トイレ前の除雪が大変だという話を聞いたことがあります。。 '04.2.26
1997 酒田市美術館
池原義郎・建築設計事務所 山形県酒田市
酒田市街全体を見渡せる小高い丘の上につくられた美術館である。
広大な敷地の中に低層の建物が、コの字型に配置されています。
同じ池原氏設計の「浅蔵五十吉美術館」でもみられた
美しいアプローチがここでも使われており、広い庭を見渡しながら
建物へと向うよう設計されています。
建物内部からも庭がよく見えるようになっていました。
駐車場につくられていた屋外トイレのデザインが変わっていて面白かったです。 '03.2.19
2001 最上川ふるさと総合公園
センターハウス
Mogamigawa Park Center House
内藤廣建築設計事務所 山形県寒河江市
Hiroshi Naito/Naito Architect & Associates/Yamagata
最上川沿いに整備された総合公園内につくられたセンターハウスである。
元々は2002年夏に開催された「緑化フェア」のパビリオンとして計画されました。
三日月のような平面で、全面ガラス張り、屋根は逆円錐形をしています。
内部は2層構造になっていて、建物が丘に一部埋まった形になっているため
丘の上から入ると2階、下から入ると1階という設計になっています。
当然構造計算されているとは思いますが、
屋根がガラスで出来ていると冬の大雪に耐えられるのか心配になってしまいました。
僕が訪れた時は緑化フェアも終わっていて、何の利用もされていませんでした。。 '03.3.31
銀山温泉共同浴場
「しろがね湯」

Ginzan Bath House
"Shirogane Yu"

隈研吾建築都市設計事務所 山形県尾花沢市
Kengo Kuma & Associates/Yamagata
山形県の山奥にある由緒ある温泉街につくられた共同浴場である。
温泉街自体が中央に川の流れる谷地で狭いため、小さい建物が街のはずれに
ぽつんと建っています。
木と乳白色アクリルでつくられた無双格子が様々な表情をつくり出すように設計されています。
前面道路が狭く、格子の幅も狭いため、近づいていくまでは閉じられた建物のように見えますが
建物すぐそばまで来て横を見ると格子の隙間から内部の様子が
ぼんやりと浮かび上がっているのがなかなか良かったです。
内部は1階と2階にそれぞれ浴場があり、日により男女交代になっています。
ただ、2階の浴槽がエントランス上部の三角部分なんですが外壁からお湯が漏れてました。。
外観的にも温泉にやられてしまったのかボロボロで崩壊寸前という印象でした。
あと、もう一つの共同浴場である大湯が200円と安いにもかかわらず、
こっちは500円というのはちょっと高すぎないですか? '05.5.7
2002 朝日新聞山形ビル
Asahi Shimbun Yamagata
Office Building

妹島和世建築設計事務所 山形県山形市
Kazuyo Sejima & Associates/Yamagata
朝日新聞の山形支社である。
写真を見てもらってもわかると思いますが、すごくのっぺりした建物です。
実際の写真なのにCGみたいです。現実感のない建物です。。
窓が明らかに開かないため外観は斬新ですが、中で仕事をする職員は
閉じ込められてるような気にならないのか心配です。
今回は光るファサードはやめたんですねえ。。 '02.9.29
2006 銀山温泉 藤屋
Ginzan Onsen Fujiya
隈研吾建築都市設計事務所 山形県尾花沢市
Kengo Kuma & Associates/Yamagata
川沿いに温泉宿が立ち並ぶ風情のある温泉街、銀山温泉にある老舗旅館の改築である。
隈さんは共同浴場である「しろがね湯」に続いて銀山温泉で2軒目の設計です。
全然知らなかったのですが、藤屋はアメリカ人のジニーさんという人が女将だったことから
青い目の女将がいるとして有名になった宿だそうです。
残念ながら現在は帰国してしまったようですが。。
建物は隈さんの得意技(笑)である細い木製の縦ルーバーが繊細な表情をつくり出しています。
ガラス面の多いファサードなので、夜になると非常に明るくなり周囲の建物から
多少浮いた感じもありましたが、まあ次第になじんでいくんですかね。。 '10.10.20
岩手 1965 岩手教育会館
Iwate Education Center
菊竹清訓建築設計事務所 岩手県盛岡市
Kiyonori Kikutake/Kikutake Architects/Iwate
盛岡市の岩手公園の目の前にある教育会館である。
この建物が建てられた当時、岩手山を見る眺望を阻害されるとして景観問題になったらしい。
しかし、今見るとそれほどの高さはないが当時は周りになにもなかったのだろう。。
建物は上部のほうがボリュームの大きな建物で平らに見えるが、裏側にはホールが
設置されている。
エントランス入ったところのホールの天上の滑らかな曲線がすばらしかった。 '01.1.23
(追記)きむさんから情報をいただきまして、建替えのため現在解体中だそうです。
同じ盛岡にある図書館は「もりおか歴史文化館」として存続しているのに残念です。。 '15.8.27
花泉農協会館
Hanaizumi Nokyo Kaikan
大高正人/大高建築設計事務所 岩手県花泉町
Masato Otaka Architect and Associates/Iwate
農協建築研究会の中心であった大高氏は数多くの農協建築を手がけています。
この建物は7つの農協が合併した全国初の農協として計画されたものである。
1階がホール・喫茶室、2階が事務室、そして3階が会議室になっています。
全体はRC打放しであるが、方形の屋根は鉄骨であり、この屋根がインパクトになっています。
写真の本館以外にも倉庫や付属屋、農協マーケットが同時に設計されました。
本館は当初の形をとどめていましたが、隣接のマーケットはかなり改装(改築?)されて
いるようでした。 '03.2.6
1967 岩手県立図書館
Iwate Prefectural Library
菊竹清訓建築設計事務所 岩手県盛岡市
Kiyonori Kikutake/Kikutake Architects/Iwate
公園内につくられた東北の山並みをイメージしたような低層の図書館である。
屋根の形を利用した内部空間はハイサイドライトを使った光溢れる閲覧室をつくり出しています。
ほぼ同時期につくられた「島根県立図書館」とともに菊竹氏の名図書館だと思います。
この建物の二年前に同じ盛岡で設計した「岩手教育会館」が景観論争を巻き起こしたため
この建物は低層の自然に溶け込む設計になったのでしょう。 '02.12.14
1983 ときわ保育園 アトリエ・モビル 岩手県水沢市
3〜5歳児を対象とした保育園である。
Z型になった複雑な変形敷地に建てられており、建物の横につくられた細い通路を
通っていかなければエントランスに辿り着きません。
建物も、南側の食堂部分から折れて職員室になり、さらにもう一度折れて園児の部屋になっています。
北側部分だけを2階建てにして、南側は屋上庭園とし、2階テラスからつなげています。
この屋上庭園は起伏をつけることによって園児が楽しめるよう工夫されています。
道路側から見えるファサード上部が湾曲した変な外観なのは屋上の起伏からくるものだと
わかって納得しました。 '05.1.8
1985 ホテル安比グランド
Hotel Appi Grand
谷口吉生/谷口建築設計研究所 岩手県安代町
Yoshio Taniguchi/Taniguchi and Associates/Iwate
リゾート地で有名な安比高原につくられたホテルである。
本館とタワー館の二棟から成り、地下でつながっています。
タワー館は安比高原のランドマークとなっているようです。
黄色の外壁に横連窓のサッシュが入ることによって縞模様の外観を作り出しています。
僕が見学に行ったときはすごい霧で、周りの景色を見るどころか建物の高層部が
よく見えない状態だったので写真もうまく写りませんでした。。
ただ建物全体ののっぺりした平坦な感じは好きになれませんでした。
どうも安っぽく見えてしかたないです。。 '03.7.31
1992 宮沢賢治イーハトーブ館
Kenji Miyazawa Memorial Centre
古市徹雄・都市建築研究所 岩手県花巻市
Tetsuo Furuichi/Furuichi & Associates/Iwate
花巻市で生まれ、数多くの名作を残した宮沢賢治の業績を展示する場所としてつくられた
施設であり、多目的ホール・図書館・展示室などから構成されています。
アプローチがとても美しく、階段状に流れていく水を眺めながら建物へと近づいて行きます。
そしてアプローチの軸線に沿って建物を壁が貫通しています。
相変わらずの複雑なデザインですが、なんとなく落ち着いた雰囲気に溶け込んでいて
好感が持てました。 '02.12.31
1997 花巻総合体育館
Hanamaki City Gymnasium
古市徹雄・都市建築研究所、高橋建築設計事務所JV 岩手県花巻市
Tetsuo Furuichi/Furuichi & Associates/Iwate
東北自動車道のすぐ横にある運動公園内につくられた総合体育館です。
古市さんが福島出身だからなのか東北地方には古市さん設計の建物が多数存在します。
豪雪地帯なので通常の体育館にみられるドーム屋根やヴォールト屋根を採用せず、
波打つ屋根とし端部を反り上がらせて雪を落とさず溜めて風で飛ばすという工夫がなされています。
意匠的には古市さんらしい気合いの入ったデザインですが、「棚倉町文化センター」の時に感じた
ごちゃごちゃ感はなく、かなりまとまっていると思います。 '08.9.28
1999 あいおい損保盛岡ビル
丹下健三+都市・建築設計研究所 岩手県盛岡市
大東京火災海上保険と千代田火災海上保険が平成13年に合併した会社の盛岡支社である。
前から気になっていたので「あいおい」とはどういう意味か調べてみると
「相生」と書いて共に生きる、一緒に生まれ育つこと、あるいは「愛生」と書いて、
愛が生まれるとの意味だそうです。ちなみにあいおい損保のイメージキャラは藤井フミヤだそうです。
建物は間口が狭く奥行きが広い敷地いっぱいに建てられており、ファサードは同設計者による
「山口県立萩美術館」とそっくりです。ただ、萩美術館と比べて高さがあるためスマートに見えます。
そしてアプローチ部分につくられた2階上部から張り出した屋根がインパクトになっていました。
早朝に見学していたので、通勤するあいおい損保の社員さんにじろじろ見られて恥ずかしかったです。
'03.6.19
アンバーホール
久慈市文化会館

黒川紀章建築都市設計事務所 岩手県久慈市
Kisho Kurokawa Architects and Associates/Iwate
岩手県の太平洋に面する久慈市につくられたホールである。
久慈駅から東へと海に向かって進んだ道路の突き当たりに位置しており、
二つの川が合流する三角の敷地に建っています。
外観を一目見て黒川建築だと分かる高さ43mのガラスコーンが立っていて、
その後ろに海のうねりをイメージした波打つ本体施設があります。
ガラスコーンはエントランスホール、喫茶室などがあり、最上部は展望台となっています。
本体は大小二つのホールと展示室、会議室などから構成されています。
黒川建築に多く使われるデザインや素材の組み合わせなので新鮮さはありませんでしたが、
最近は段々親しみを覚えるようになってきました(笑)
安藤建築にはRC打放し、黒川建築にはガラスコーンっていう感じですかね。
ちなみに名称の「アンバー」とは英語で「琥珀」を意味していて、久慈市が日本最大の
琥珀の産地として有名であることから付いた名称だそうです。
笑ったのが、ここのガラスコーンは中学の数学の教科書で円錐形の面積を求める数式を
説明する部分で写真が掲載されているそうです。 '05.5.12
2002 御所野縄文博物館
仙田満+環境デザイン研究所 岩手県一戸町
遺跡公園の核となる展示施設と、駐車場から公園へとアプローチする吊橋である。
農工業団地を計画していた土地で試掘を行ったところ遺跡が発掘され、
団地計画から遺跡公園整備と方向転換を行った場所だそうです。
建物は吊橋を渡ったすぐの場所にあり、2階建てで屋根をシバ張りとすることにより
公園に溶け込むように設計されています。
内部に入ると吹き抜けのホールがあるんですが、細かいスパンで結構太いRCの柱と梁が
並んでいるのが目立ってしまって、ゴテゴテしたやや繊細さに欠ける空間にちょっとがっかりしました。
僕にはメインの建物よりも緩やかな孤を描いたダイナミックな「きききの吊橋」の方が
かっこよくて気に入りました。 '05.7.10
2008 大船渡市民文化会館・
市立図書館/リアスホール

Ofunato Civic Culture Center
& Library

新居千秋都市建築設計 岩手県大船渡市
Chiaki Arai Urban & Architecture Design/Iwate
リアス式海岸で有名な大船渡市につくられたホールや図書館などが入った複合施設である。
「リアス式海岸」や「穴通し磯」といった大船渡市の地形等をモチーフとして形態が導き出されており、
洞窟の中や崖面のような荒々しさを感じさせる空間となっています。
圧巻なのはホワイエやレストランの吹き抜け空間で、段々になった壁面が圧倒的な迫力です。
基本的にはRCのグレーな空間ですが、要所に置かれたベンチなどの鮮やかな赤で美しかったです。
ここもそうですが、新居さんの設計する図書館(くにさき総合文化センター アストくにさき、
水戸市立西部図書館など)は、回遊性を考えたものとなっていて楽しいです。 '09.11.13
2015 かまいしこども園
Kamaishi Nursery School
平田晃久建築設計事務所 岩手県釜石市
Akihisa Hirata Architecture Office/Iwate
東日本大震災で被災した幼稚園と保育園を統合したこども園である。
4つの家型の棟を並べ、その間の空間を遊戯室とすることで廊下のない建物としています。
それぞれの家型の屋根が重なり合った隙間から光が差し込むことで、
明るい内部空間をつくり出しています。
元々はプロポーザルで選ばれた平田さんが、こども園と復興公営住宅の設計を
行っていましたが、入札不調等により、こども園のみ実現することとなりました。。
'17.5.15


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