愛媛の建築
Architecture in Ehime
年 | 作品 | データ |
1950 | 川之内小学校 Kawanouchi Elementary School |
松村正恒 愛媛県八幡浜市 Masatsune Matsumura/Ehime |
八幡浜市の山間部につくられた小学校である。 松村正恒さんの最初期の学校建築で、代表作「日土小学校」よりも古いです。 竣工当時はなかったであろうバイパス道路が目の前を走っていて ちょっと危険なアプローチになっています。 木造2階建ての横長でシンプルなファサードが運動場側から見えますが、 特徴的なのは裏側の廊下で、半屋外で、上部にはハイサイドライトが連続して並ぶ 明るい空間となっています。 掲示板に「なぜ松村正恒さんの建物を載せていないんだ!本物を知れ!」といった コメントが書かれ(後半のコメントに腹が立ったので消しました(笑))、 確かにこれまで載せていなかったので載せました。 '12.3.9 |
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1958 | 鬼北町(旧広見町)庁舎 Kihoku Town Hall |
アントニン・レーモンド/レーモンド建築設計事務所 愛媛県鬼北町 Antonin Raymond/Raymond Architectural Design Office/Ehime |
愛媛県南西部の山間に位置する広見町(現在は合併して鬼北町)の庁舎である。 当時のレーモンド事務所の代表取締役であった中川軌太郎が広見町出身だった ことから設計することになったそうで、中川氏自身が設計担当者だったそうです。 RC造3階建ての建物を特徴付けているのが、3階部分中央に設けられたHPシェル による議場で、色の付いたガラスをはめ込んだ丸い開口部がステンドグラスのような 役割を果たすと共に、立面に表情を持たせています。 どんどん名建築が取り壊されていくこの時勢に、鬼北町は耐震改修等を行いながら 保存していく意向を示していることが嬉しいです。 '10.1.13 |
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1960 | 愛媛信用金庫今治支店 |
丹下健三+都市・建築設計研究所 愛媛県今治市 |
今治市にある旧今治信用金庫である。 今治といえば丹下氏の郷里であり、多数の作品を設計しているため、かなり見所のある町です。 RCによる重量感あふれる外観がモダニズム精神を思い出させてくれます。 空中に浮かんだような巨大なルーフが特徴的でした。 駐車場奥に後から増築したような建物が張り付いていましたが、 その建物だけ白く塗られていてバランスを欠いていたのが残念でした。。 '04.1.14 |
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1961 | 西条市体育館 Saijo City Gymnasium |
坂倉準三建築研究所 愛媛県西条市 Junzo Sakakura Architect & Associates/Ehime |
カブトガニのまち西条市につくられた体育館である。 RCの外観に緩やかなカーブを描く屋根の吊り構造です。 2年後、同設計者により佐賀市につくられた「市村記念体育館」は まさにこの建物の流れを組んでいると一目で分かるほどよく似たデザインです。 建築されてから40年以上の歳月が経っているためか老朽化ということと 新たな体育館が完成したことから1998年以降は閉鎖されたままです。 取り壊されないのは嬉しいと言えば嬉しいんですが、放置されて風化していくのを 待つのも微妙です。。何とか改修して別の用途にでも使えないでしょうかね〜。 '06.3.2 (追記)2012年1月頃に解体されていることが分かりました。 力強さを感じさせる吊り構造が好きだったんですが残念です。。 '12.4.25 |
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キクノ本社ビル Kikuno Headquarters Building |
松村正恒建築設計事務所 愛媛県松山市 Masatsune Matsumura/Ehime |
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松山市の中心部につくられたコンクリート製品などの会社の本社ビルである。 角地に建っており、RC打放しの外壁を六角形に切り取った開口部が特徴的な 外観をつくり出しています。 松村さんといえば「日土小学校」の木造モダニズムによる学校が有名ですが、 RC打放しのオフィスビルも設計していたんですね。 '15.1.3 |
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1963 | 日産プリンス愛媛販売 Nissan Prince Ehime |
松村正恒建築設計事務所 愛媛県松山市 Masatsune Matsumura/Ehime |
松山市中心部から南東の県道沿いに建てられた自動車販売店である。 三角形平面の建物となっているのですが、特徴的なのが大きく張り出した薄い庇で、 三層張り出す姿は外観にものすごいインパクトを与えています。 一層目の庇はサインになっていて薄くないのが残念です。 二層目から三層目に上る外部階段はアクセントになっていて良いです。 '24.1.11 |
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1967 | 新居浜農業協同組合会館 Niihama Nokyo Kaikan |
大高正人 大高建築設計事務所 愛媛県新居浜市 Masato Otaka Architect and Associates/Ehime |
数多くの農協建築を設計している大高氏が新居浜につくった農協である。 当時11の農協が合併したためにつくられたそうです。 営業形態の複雑な変化にも対応できるようにフレキシビリティの高い空間構成を 意図して設計されていて、業務空間は大架構により無柱になっています。 後に設計された「栃木県議会棟庁舎」に通じる、プレキャストコンクリートによる モダニズムの力強さを非常に感じるデザインになっていました。 '04.3.21 |
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1979 | 徳丸小児科 Tokumaru Childrens' Clinic |
長谷川逸子建築計画工房 愛媛県松山市 Itsuko Hasegawa Atelier/Ehime |
松山市に多くの建築を設計している長谷川さんの初期の作品です。 道路側に幾何学模様を描いたコンクリートの壁を立て、壁と建物の間を回廊にして そこからアプローチするという設計になっています。 ぱっと見ると普通の建物に見えますが、回廊内や道路と反対側の外観などに円形などが 使われていて、20年以上前の作品とは思えない建物でした。 コンクリが汚れてきたためか現在は幾何学模様の壁は塗装がされています。 設計上止むを得ないにしても、トビラを三ヶ所も付けずに 壁面だけならもっと素晴らしかったのでは、と思いました。 '02.6.5 (追記)ayaさんから情報をいただきまして、現在取り壊し中だそうです。。 '08.7.21 |
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1984 | 今治地域地場産業振興センター |
丹下健三+都市・建築設計研究所 愛媛県今治市 |
今治地域の地場産業であるタオルや漆器、造船などを振興させるためにつくられた施設である。 中央に円形の大展示場があり、それを挟み込むように左右に箱形の高層棟がつながっています。 中央のエントランスを入ると1階には「じばさんプラザ」と名付けられた地場産業の品物を売っている ショップがあり、階段を上ると歴史資料室があります。 地元である今治に多くの建物を設計している丹下氏ですが、他のいわゆる初期の建物と比べると やはり力強さがかなり減っていて、繊細さみたいなものを求めているようにも感じるのですが、 なんとなく中途半端な建物になってしまっている気がしてしまいました。 '04.6.25 |
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1985 | 愛媛県県民文化会館 |
丹下健三+都市・建築設計研究所 愛媛県松山市 |
道後温泉のすぐ近くにある文化会館です。 かなり広いのでここで多くのコンサートが行われています。 建物前の広場はかなり広くとってあった。 両腕を前に出したような建物で、その両腕の間が広場である。 昼間に行ったので中は入れないかと思ったら空いてた。 入ったらすぐのロビーは天井までの吹き抜けでかなりのスペース があり、外の建物前広場とともにびっくりした。 |
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1986 | 菅井内科 Sugai Internal Clinic |
長谷川逸子建築計画工房 愛媛県松山市 Itsuko Hasegawa Atelier/Ehime |
松山市の中心部である松山城にほど近い場所につくられた病院である。 山の裾野という高低差をそのまま利用して建てられており、階段・エレベーター・ブリッジと いった複雑なアプローチを使用しています。 商店街側から見える立面はパンチングメタルやカラフルな色彩を使ったかわいいものですが もう一つの立面は波打っていて、更にモザイクタイルが貼られてすこし不気味です。 '03.2.5 |
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1989 | 道後館 |
黒川紀章建築都市設計事務所 愛媛県松山市 Kisho Kurokawa Architects and Associates/Ehime |
道後温泉の近くにある旅館です。 カラオケ、ラウンジ、喫茶店、茶室となんでもあります。 泊まることは値段的に無理だったのでロビーに入ってみてきました。 ロビーに入るのすらつらい構えの旅館でした。 ロビーがすごく広い!そして川が流れている。。 唐破風、欄間、門、連子格子といった和風なものが多く取り入れられ ていて道後に合った旅館だった。 しかし、高すぎる。。。 |
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1992 | 内子町立大瀬中学校 | 原広司+アトリエφ 愛媛県内子町 |
歴史的町並みで有名な内子町にある中学校である。 大江健三郎の生地であるこの町の「文学の里づくり構想」の第一歩としてつくられた。 すごく山の中の学校といったところにあるのに超近代的建築である。 斜面になった土地につくられていて一番下に普通教室があり中庭、 そして特別教室が階段状にある。 左右に二つの円筒形の建物があり体育館かと思ったら美術室と音楽室だった。 彼の得意の雲型、鋸型、箱型の屋根が所々に見られる。 街中にこの中学校はともかく田舎にこれはいいのか?と思ったが やはりうらやましい中学校である。 '00.9.26 |
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保内町庁舎 |
木島安史+YAS都市研究所 愛媛県保内町 |
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愛媛県西部の町、保内町の役場である。 この建物が竣工した1992年に木島さんがお亡くなりになっており、最晩年の作品である。 中央広場を取り囲むように三つの棟をコの字型に配置し、 正面にガラス張りの吹き抜けの町民ホールを設け、両側を事務棟としています。 この両側の事務棟に緑のスチールアーチが架かっていてダイナミックです。 建物裏側に回ると正面の直線的な表情が一変し、円弧状の屋根による違ったファサードを 見つけることが出来ますので、ぜひ裏側も見学することをお勧めします。 '04.12.8 |
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1993 | 松山ITMビル ITM Building in Matsuyama |
伊東豊雄建築設計事務所 愛媛県松山市 Toyo Ito & Associates, Architects/Ehime |
松山につくられた企業の本社ビルである。 ITMというからどんな会社かと思いきや、愛媛県の銘菓といえばこれしかない! というぐらい有名なお菓子会社の本社でした。 不整形な敷地をめいいっぱい使ったという感じをすごく受ける外観である。 入口はスマートにできていて好感を持てたのですが、それ以外の部分は。。 中には入れなかったので内部はきっと好いのだろうと自分に思い込ませながら見てました(笑) '02.5.28 |
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1994 | 亀老山展望台 Kiro-San Observatory |
隈研吾建築都市設計事務所 愛媛県今治市 Kengo Kuma & Associates/Ehime |
しまなみ海道でつながる島々の一つ、大島の南端にある亀老山山頂に つくられた展望台である。 水平に切り取られた敷地に展望台を埋め、盛土、植栽をすることで 凹状の建物とし、「見えない建築」を実現しています。 このコンセプトはその後の「北上川運河交流館 水の洞窟」でも使われていますが、 最近の隈建築にはあまり見られない気がします。 展望台に入るとRCの壁で囲まれた空間になっていて、そこから階段を上り デッキにたどり着いて初めて景色を望むことができるようになっています。 瀬戸内海の絶景が見られる観光スポットになっているのですが、 見学時は残念ながら曇りでした。。 '23.1.7 |
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1995 | 愛媛県総合科学博物館 Ehime Prefectural Science Museum |
黒川紀章建築都市設計事務所 愛媛県新居浜市 Kisho Kurokawa Architects and Associates/Ehime |
愛媛県新居浜市の裾野につくられた科学博物館、図書館などの複合施設である。 円錐形、半円形、正方形など幾何学的な形態をそれぞれの棟ごとに採用しており、 それとともに軸線をずらすという日本の美意識を導入した設計としている。 抽象性を継承しつつ場所性や歴史性などを重視するという 黒川氏の「アブストラクト・シンボリズム」理論がこの作品で展開されているそうである。 これまで二度、近くまで来ていたのに行けなかった(閉館日や時間の問題で。。)のですが ついに三度目の正直で行くことが出来ました。 庭に張られた水面がすごく掃除が行き届いていてとても美しく、そこに浮かぶプラネタリウムの 球面、そして漂うロボ(?)が光できらきらと輝いていました。 '02.3.19 |
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1998 | ミウラート・ヴィレッジ Miurart Village |
長谷川逸子建築計画工房 愛媛県松山市 Itsuko Hasegawa Atelier/Ehime |
松山市にある小さな美術館である。「ミウラート」とは三浦工業の美術館だから ミウラ+アート=ミウラート このネーミングの仕方はワタリウムのやり方に似ているなあ。。 中庭を囲むようにL字型に配置されていて、片方が展示ゾーンとなっており もう片方は持ち上げられていてゲストハウスになっていて、下部はピロティ状になっている。 ピロティ部分にある波打った彫刻(?)は楽しくて良いです。 三浦氏自身のつくったアートも中庭に配置されていて、この人の美術好きがよく分かった。 '00.11.28 |
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エリエール松山ゲストハウス Elleair Matsuyama Guesthouse |
安藤忠雄建築研究所 愛媛県松山市 Tadao Ando Architect & Associates/Ehime |
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大王製薬のゲストハウス及び収集した絵画を展示する美術館である。 松山市内から山道を走り回ってようやくたどり着きました。 古城をイメージして設計されたという建物は、塔状の部分はゲストの宿泊施設になっていて 低層部分に美術館がつくられています。 ビュッフェやローランサン、シャガール、ピカソなど一流の絵画が展示されているにもかかわらず 無料というのはすごい!さすがエリエール(笑) 地下一階につくられた喫茶コーナーに座って滝のある中庭をみるとすごく快適でした。 '02.1.9 |
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2000 | 南岳山 光明寺 Komyo-ji Temple |
安藤忠雄建築研究所 愛媛県西条市 Tadao Ando Architect & Associates/Ehime |
ベイマツ集成材の方形の本堂が特徴的なお寺である。 1520年からという由緒あるお寺だそうで、所々にもともとあったであろう灯篭などが 置いてあります。 コンクリ打ち放しの客殿や礼拝堂に囲まれた湧水を引き込んだという池のまんなかに 本堂が浮かぶように建っています。 その本堂をぐるりと見るようにして池の周りを歩いてから本堂入り口にたどり着きます。 内部は格子状の柱の間から差し込む光がとても美しい感動的な回廊を通り 約100畳の内部に入ります。 雑誌などを見ていたら木組みの本堂がたくさん載せられていたので、 本堂以外は特に見所はないと思っていたのですが、客殿などコンクリの建物も とても美しい設計でした。 '02.8.29 |
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2001 | SKK松山 SKK Matsuyama Office |
宮崎浩/プランツアソシエイツ 愛媛県松山市 Hiroshi Miyazaki/Plants Associates/Ehime |
松山市の中心部から少し外れた場所につくられたオフィスである。 北側と東側にJRが走っており、西側に高層マンションが建っていて 開かれているのは南側の田のみである。 東側はすぐ横が線路なので、ルーバーによる緩衝帯を設け、建物は西側に配置している。 緩衝帯と建物はフレームによって一体化され、駐車場を間につくっています。 建物の開口部や廊下など開かれた空間も全て駐車場側に配置していました。 宮崎さんの作品はすごく好きで最近良く見学に行くのですが、 彼の設計するオフィス空間にはもう少し緑が欲しいような気がしました。 '03.6.24 |
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2003 | ラフォーレ原宿・松山 Laforet Harajuku Matsuyama |
クライン・ダイサム・アーキテクツ 愛媛県松山市 Klein Dytham architecture/Ehime |
松山市の中心部、一番町に立つラフォーレ原宿の松山店である。 この建物は元々は「スーパーいづみ」という店舗だったものを森ビルが取得し 1983年にオープンした東京に次ぐ2番目のラフォーレ原宿だそうです。 クライン・ダイサムが関わったのは2003年の改装の時で、オレンジ色の外壁、 墨を流したようなグレーの縦縞の模様がインパクトのある外観をつくり出しています。 ちなみにオレンジ色を選んだのは愛媛の特産であるみかんを意識したからなのでしょうか? 愛媛の若者にとってランドマーク的存在だったこの建物は、2008年1月に閉館し、 同年3月に取り壊されてしまったそうです。 理由は経営不振ではなく、新耐震以前の建物なので安全性に難アリということだそうです。 数年前に松山を訪れた時に「なんで松山なのに原宿やねん!」というベタなツッコミを していたことが懐かしいです。。 '08.5.1 (追記)閉館はしたそうですが建物はまだ残っているそうです。 やまうちさんから情報をいただきました。ありがとうございます。 '09.3.16 (追記2)解体されてしまっているそうです。 跡地にはホテル、店舗が入った複合施設が建設されるようです。 ida-10さんから情報をいただきました。ありがとうございます。 '14.3.15 |
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2005 | 徳丸小児科2 Tokumaru Childrens' Clinic 2 |
長谷川逸子建築計画工房 愛媛県松山市 Itsuko Hasegawa Atelier/Ehime |
松山市郊外の幹線道路に面した角地に建てられた小児科医院である。 長谷川逸子さんの初期の作品「徳丸小児科」は取り壊されてしまいましたが、 世代交代をした新たな徳丸小児科として再び長谷川さんの設計でこの建物が建てられました。 全面ガラス張りのファサードとなっており、その内側の壁面を緑化しています。 初代徳丸小児科はRCの壁を立て、その内側に緩衝帯となる回廊を設けていましたが、 今回も同様の措置がガラスと壁面緑化によって行われていました。 ただ、結露がすごかったですが。。 '11.3.13 |
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2006 | 坂の上の雲ミュージアム Saka No Ue No Kumo Museum |
安藤忠雄建築研究所 愛媛県松山市 Tadao Ando Architect & Associates/Ehime |
松山市の中心部、城山公園に程近い場所につくられた美術館である。 司馬遼太郎の小説「坂の上の雲」をテーマにしており、 主人公である正岡子規、秋山好古、真之が松山出身であることからここに建築されました。 安藤さんは「司馬遼太郎記念館」も設計しているので、ここも依頼されたのだと推測されます。 建物は三角形平面で、三角形の辺をグルグルと巡るようにスロープや展示スペースが 配置されています。 この建物は平面以外にも三角形が多用されていて、床面、机、トップライトなどに三角形が みられました。 '07.9.12 |
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カフェ ラ・ミール Cafe La Miell |
谷尻誠/suppose design office 名和研二/なわけんジム 愛媛県新居浜市 Makoto Tanijiri/suppose design office/Ehime |
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別子銅山で有名な愛媛県新居浜市につくられたカフェです。 外観が三角というものすごいインパクトを持っています。側面はまさに直角三角形! 正面から見ると三角形が羊羹切りされたように並んでいます。 内部は1階と地下の2層になっていて、羊羹切り三角形の隙間に設けられた 開口部から光が差し込むという設計になっています。 かなりのおしゃれカフェなので、おっさんが入るのにはなかなか抵抗がありますが(笑) ケーキもコーヒーもおいしかったです。 '08.10.21 |
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2007 | 伊丹十三記念館 Itami Juzo Museum |
中村好文+レミングハウス 愛媛県松山市 Yoshifumi Nakamura/Ehime |
松山市につくられた伊丹十三さんの記念館である。 2007年5月15日(伊丹さんの誕生日)にオープンしました。 伊丹さんは高校時代を松山で過ごしたそうで、愛媛のお菓子メーカーである一六本舗の 社長と親戚であることから一六タルトのCMにも出演していたみたいです。 そういった関係からこの記念館は一六本舗が建設用地を提供しています。 建物は真っ黒な平屋で、すぐ横には同じく真っ黒なガレージがあり、 伊丹さんの愛車だったベントレーが展示されています。 平面プランは中央に中庭と回廊が設けられていて、エントランスとショップ、 常設・企画展示室、カフェ、そして収蔵庫が取り囲むように配置されています。 常設展示室は十三にちなんで13のコーナーが設けられているのですが、 商業デザイナーのコーナーにあった架空の脱毛液「ヌケミン」のデザインがかなり笑えました。 回廊に設けられたベンチに座って中庭のカツラの木を眺めているとすごく落ち着いて 心地よかったです。 '07.6.23 |
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2008 | 松山の家 House in Matsuyama |
谷尻誠/suppose design office 名和研二/なわけんジム 愛媛県 Makoto Tanijiri/suppose design office/Ehime |
愛媛県の高台の住宅地に建てられた専用住宅である。 構造体となる9枚の壁を平行に並べず、バラバラな角度に並べることで 空間に視覚的な変化をもたらしています。 そして、その結果としてどの部屋からも眺望を望むことが可能となっているそうです。 南に広がる景色に向かって口を開いたメガホンのような形態は、 1階リビングや2階テラスにすばらしい眺望をもたらしているんだろうと思われます。 '11.1.12 |
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2011 | 今治市岩田健 母と子のミュージアム Ken Iwata Mother and Child Museum, Imabari City |
伊東豊雄建築設計事務所 愛媛県今治市 Toyo Ito & Associates, Architects/Ehime |
しまなみ海道の大三島にある小学校の校庭跡地につくられた屋外彫刻美術館である。 彫刻家の岩田健さんの寄贈を受け、今治市が作品を展示するために建設したものです。 同じ大三島には今治市伊東豊雄建築ミュージアムもあって、伊東さんの建築を 堪能することが出来ます。 直径約30mの円を描くようにぐるりとRCの壁が巡っており、そこから先に向かって 薄くなっていく庇が伸びています。 壁で囲まれた内側は庇下を除いて芝生となっており、そこに彫刻やベンチなどが配置され、 天気の良い日は太陽の光を浴びながら、気持ちよく作品を鑑賞することができます。 入口に事務所スペースなどの部屋がないため、駐車場に小さなプレハブが置いてあって、 そこでチケットを売っていたのがすごくかわいそうな感じでした。。 '12.6.12 |
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今治市伊東豊雄建築ミュージアム スティールハット・シルバーハット Toyo Ito Museum of Architecture, Imabari |
伊東豊雄建築設計事務所 愛媛県今治市 Toyo Ito & Associates, Architects/Ehime |
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しまなみ海道の大三島につくられた伊東豊雄さん自身のミュージアムである。 伊東さんの建築に関する展示を行うスティールハットと、ワークショップなどを行う シルバーハットという2棟の建物で構成されています。 スティールハットは4種の多角形鋼板を組み合わせてできた不思議な形態をしており、 開口部も少ないため、建物というよりは巨大なオブジェのようです。 内部は3つの展示室と吹き抜けのサロンから構成されており、展示室は外観そのままの 傾斜した壁面となっています。 シルバーハットは東京都中野にあった伊東さんの自邸を再築したもので、大きさの異なる 7つのヴォールト屋根により屋内外の空間を軽やかに覆っています。 敷地条件が異なるため、オリジナルに対して入口や開口部を変えたりしているそうですが、 現存していない伊東さんの住宅をここで内部まで体感できることはとても嬉しかったです。 '13.10.22 |
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2012 | 今治のオフィス Office in Imabari |
谷尻誠/suppose design office 愛媛県今治市 Makoto Tanijiri/suppose design office/Ehime |
今治市郊外につくられた船舶関係の企業のオフィスである。 ガラスの外側に水平ルーバーをぐるりと回した外観になっており、 季節による光の解析を行い、水平ルーバーの奥行を変えることで、 環境負荷の低減が図られています。 入れ子状に執務空間を設け、外部と執務空間との間をパークと名付けた バッファーゾーンとしています。 トップライトから光が差し込み上部には緩やかなスロープが巡るパークを 体感したかったのですが、オフィスということで残念ながら外観見学になりました。。 '16.7.26 |
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2016 | みなと交流センター Port Community Center |
原広司+アトリエ・ファイ建築研究所 愛媛県今治市 Hiroshi Hara + Atelier Φ/Ehime |
今治港につくられた待合所や飲食店などが入った複合施設である。 港が中心市街地に近いことから、港ににぎわいを創出することで そこから中心市街地全体の活性化へとつなげることを目的として整備されました。 愛称は「はーばりー」とどこかのブランドのような名前ですが、 Harbor(港)と今治のバリを合わせたものだそうです。 建物の形態は分かりやすく「船」で、低層部はピロティやガラス張り、 上部は船底のような丸みを帯びています。 全体的に曲面の多い建物がなんとなく原さんぽくないというか、かっこよく見えない気が。。 '22.10.22 |