妹島和世のページ
Kazuyo Sejima architecture

透明感・清潔感のある作品をつくらせたら最もすばらしい建築家、妹島和世。
彼女の作品の中で僕が見てきたものを紹介するページです。

作品 データ
1991 再春館製薬女子寮
Saishunkan Seiyaku
Women's Dormitory

熊本県熊本市帯山
僕が初めて妹島さんの作品を本で見たのがこれでした。すごくひかれるものを感じたのを覚えています。
そしてついに本物を見ることが出来ました。といっても女子寮なので中には入れませんでした。。
外から見るとただの箱型の建築であり、道路に面した壁(北立面)が夜には中の光により
内部空間が見えるように本の写真ではなっていたのですが、昼間に行ったのでただの壁でした。。
しかし、意を決して階段を上りほんの少しだけ足を踏み入れました。そしてちょっとだけ中を見ました。
やはり中は外部空間とは全く違った異空間でした。清潔感あふれまくり! '00.8.2
1993 パチンコパーラーT
Pachinko Parlor I
茨城県日立市
妹島さんの代表作のひとつであるパチンコパーラーシリーズはいつか見に行きたいと思ってました。
この第一作は、日立の駅から程近いところにあり、幹線道からは奥まったところにあります。
縦に入った柱とガラス面の箱であり、ガラス以外の内部壁は全てステンレスの鏡面になってます。
そして内部を斜めに貫入するように柱がささって(?)ます。
柱の鮮やかな黄色と黒の文字がステンレスの鏡面にうつり、不思議な空間をつくりだしてます。 '01.11.13
1994 調布駅北口交番
Police Box at Chofu Station
東京都調布市
東京23区の西側にある調布市の駅前交番である。 線路の真横に建ってます。
これまで本で見ていたときに思っていたよりずいぶん小さかった。
直方体に丸い穴があいてるというシンプルな設計です。
二階は仮眠室だと思うのですが、螺旋階段でのぼっていく、
宙に浮いたような円筒がかっこいいです。
側面はすりガラス状になっていて夜になると中の光がぼおっと浮かび上がります。
丸い穴からも光が漏れるということで夜まで待ってみたのですが、
誰も事務室以外に行かないため真っ暗だった。。残念。。 '00.1.29
(追記)京王電鉄が調布駅付近連続立体交差事業を行っており、駅前整備が進んでいるため、
交番機能も仮設に移転してこの建物は空っぽ状態だそうです。
このままでは解体は時間の問題なのでしょうか。。 '08.2.16
(追記2)溝口さんから情報をいただきまして、2月末に解体されてしまったそうです。 '08.3.2
1996 マルチメディア工房
Multimedia Workshop
岐阜県大垣市 1998年日本建築学会賞
ずーっと行きたいと思っていたマルチメディア工房にようやく行ってきました。
これはコンピューター・アートやマルチメディア関連の人材を育成するための県立の専門学校の付属施設です。
半地下でうねる屋上広場など期待の大きな建物でした。
しかし、できてからまだ5年程しかたっていないのになんとなく荒廃したイメージを受けた。
半地下に降りていく階段は所々大変汚く、そして雨上がりだったせいか水がたまっていた。
入り口はいくつかあるのですがそのひとつが開いていたため潜入しました。
内部は上部に窓のある回廊と真ん中に光庭があり、部屋は木工室などの部屋があった。
光庭はほとんど倉庫のような状態になっていました。。出来た頃はきれいだったんだろうなあ。。 '01.1.10
パチンコパーラーV
Pachinko Parlor III
茨城県常陸太田市
パチンコパーラーシリーズ第三弾である。
ファサードは「KINBASHA」の文字が連続する曲面のスリットから
赤と黄色の光がもれるように設計されています。
内部空間も床が斜路になっていて、レストスペースのある南北の端部が高く、
パチンコホールがある中央部は平坦になっています。
上の写真をよく見てもらえると分かると思いますが、僕が見学に行ったときは
この斜路が小さな子供にはとても面白いらしく、パチンコ玉を転がして何度も遊んでいました。
やはりパチンコパーラーシリーズは昼間でなく夜に見に行った方が美しいです。
ただこのパチンコパーラーは内部がちょっと暗かったです。。 '04.3.3
S-HOUSE
岡山県
岡山県の海に近いエリアにつくられた専用住宅である。
直方体の建物は、外壁の2面それぞれをポリカとスレートの波板としています。
開口部が少ない建物となっていますが、外壁のすぐ内側を吹き抜けの回廊としており、
回廊に面して各部屋を配置し、折戸やルーバーを開閉することで
プライバシーを守りながらポリカなどを通して入ってくる光や風を採り入れることが
できるようになっています。
昼間は外壁の素材の違いは分かりにくいですが、夜になると内部の光によって
素材の違いがあらわれてくると思われます。 '14.5.24
1997 熊野古道なかへち美術館
和歌山県中辺路町
関西に妹島の作品はほとんどなく、これまで見たことがなかったのですが
ようやく和歌山で見ることができた。
ガラスによる箱形のシンプルな設計の建物である。
よく見るとガラスには細かく「NAKAHECHI ART SALON」と書いてある。
小さな作品であるがとても気に入りました。
展示室を囲むように回廊があり、裏側に休憩コーナーがあるのですが
彼女の作品に共通に見られる清潔感がとても見られました。
K本社屋
K-Building
茨城県日立市
日立市の駅前にある「金馬車」の本社ビルである。
シンプルな方形の建物であり、1階にテナント(美術ショップ)、2階以上が社屋になっています。
妹島さん得意のガラスをうまく使ったファサードで、所々にアルミパネルを配することによって
面白い表情を持たせることに成功しています。
平面を見ると、東側に円弧状のコアを設け、そこに集約する設計になっています。
ただひたすら上っていく折り返しのない屋外階段が珍しくて面白かったです。 '03.1.27
M-HOUSE
東京都
東京都心部の高級住宅街につくられたスタジオを持つ住宅である。
高級住宅街に波板で覆われた低層の建物はかなり異彩を放っています。
倉庫やガレージだと思った人も多いんじゃないかと。
1階分全て地下に埋め込んでおり、光庭を3カ所設けることで、地下でありながら
とても明るく開放的な空間をつくり出しています。
スタジオの音についても地下にすることで防音効果をねらっていると思われます。
'15.12.17
1998 ひたち野リフレ
Hitachino Refle
茨城県牛久市
ひたち野牛久という駅前にある複合施設です。
この駅は全くといっていいほど周りに何もない。夜はかなり淋しいです。
そんなところにやたらと立派な駅舎とこの施設がバスターミナルを挟んでペデストリアンデッキでつながっている。
「リフレ」とは反射するという意味の英語「リフレクション」からきている。
その名の通り前面ガラスルーバーによる建物であり昼間は光を反射し、
夜は内部の光により幻想的に建物が浮かび上がります。
一階部分はローソンとカプリチョーザが入っていて、二階は旅行会社があった。
壁に矢印して2階と書いた案内表示が良かった。椅子も凝っている。
ただ、上に上る階段が見つかりにくかったのは僕だけでしょうか? '00.2.22
オペーク銀座
Opaque Ginza
東京都中央区
銀座にあるブティックのファサードの設計である。
ビルの上階を見てみると分かるように、元々はよくある普通のビルだったのですが、
ファサード部分をすべてガラスに変えることによって、とても目立つものになったと思います。
夜は緑がかった乳白濁のガラスを通して光り輝くビルが、より自分をアピールしだします。
'02.2.18
岐阜県営住宅
ハイタウン北方 妹島棟

Gifu Kitagata Apartment
Sejima Wing

岐阜県北方町
老朽化した県営住宅の建て替えである。第1期が1998年、第2期が2000年に竣工しました。
磯崎新さんがコミッショナーになり、4人の女性建築家がそれぞれ4棟の建物を設計しました。
妹島棟は各住戸の脇にテラスを設けているため、
建物の向こう側が見える穴がいくつも開いています。
住戸のプランも面白くて、共用廊下と広縁に対して個室やDKを並列に配置していて
外部への出入口も複数設けているのが特徴的です。そういえばベランダもないですね。
かなり住戸の考え方を変えた設計になっているために4棟の中では一番人気薄だったと
聞きましたが、本当でしょうか。 '04.10.29
古河総合公園 飲食施設
Koga Municipal Park, Park Cafe
茨城県古河市
古河総合公園にある小規模な売店及び軽い食事が出来る施設である。
雑誌などでみたのは出来た当時のものだったので、すごく妹島氏らしい透明感と白の
清潔感のある建物に見えたのですが、実際見ると売店なので安っぽい立て看板や
旗などがあってちょっと悲しかった。
しかし、白の細い柱と緑がかったガラスによる透明感は健在でした。
広大な公園の中にぽつーんとあり、行った季節も冬だったので少し寂しい感じがしました。
'01.10.8
1999 飯田市小笠原資料館
Ogasawara Museum
(O-Museum)
長野県飯田市
国の重要文化財である旧小笠原書院に併設するようにつくられた資料館である。
80mのガラスの箱を6本の柱で支えており、箱の下にある白い円筒形の部分が事務室である。
そこで入場券を買って裏側にあるスロープを通ってアプローチする。
ただの直方体の箱かと思いきや、少しうねっている。
黒を貴重にしたロビー部分には、面白い椅子がおいてあり、そこに座ると窓の四角に切り取られたところから
(他の部分はガラスに模様がつけてあり外は見えない)旧小笠原書院が見えるようになっている。
展示室は逆に閉鎖されており、白を基調にした明るい空間を作り出している。
柱で持ち上げているため結構揺れるのが面白いです。 '01.3.1
2000 saito
東京都渋谷区
渋谷区につくられた集合住宅、つまりデザイナーズマンションである。
ワンルームであり、平面的には奥行きのある部屋を並べている。
入口はメイン道路の裏側にあり、道路側は開口部を最大限に取っている。
そしてその開口部の目隠し的な役割としてパンチングメタルが使われています。
少し歪曲した建物で不思議な外観ですが、味がありました。
悲しいのは周りのマンションが高層な為、肩身が狭そうに見えたことです。 '03.2.26
小さな家
Small House


東京都
東京都心のど真ん中に建てられた住宅である。
地下1階、地上3階ですが、ワンフロアの面積が非常に小さく、
中央を貫く螺旋階段が各層をつないでいます。
地下は1階のフロアレベルを少し上げているため、ハイサイドライトを持った
寝室としており、1階は予備室、2階がLD、3階が浴室とテラスになっています。
駐車場の必要性と隣地との関係性から壁面を傾けており、
それが外観をリズミカルなものとしていました。 '10.2.3
hhstyle.com
東京都渋谷区
表参道の裏手、キャットストリートに面して建てられたデザイナーズ家具の店舗である。
ファサードは全面ガラスで、建物中央に設けられた緩やかな勾配の階段は家具を
眺めるギャラリーのようになっていて楽しませてくれます。
実は竣工当時に見学に行ったのにHPへの掲載タイミングを逃していました。
今回アップしたのは、2010年7月25日にhhstyle.comが閉店してしまったからです。
次に入るテナントはキディランドだそうで、ガラスのファサードにサンリオのキャラが
ベタベタと貼られてしまうので、繊細なファサードはもう見られないようです。。
岸和郎さん設計の「Stadium 600」が竣工後すぐにファサードに
ベタベタ貼られまくっいていたことを思い出しました。。 '10.7.28
六ツ川地域ケアプラザ
Mutsukawa Day-Care Center

神奈川県横浜市南区
横浜市の住宅街につくられたお年寄りのための施設と集会施設から成るケアプラザである。
住宅街自体が山につくられた階段状であり、そのへた地のような場所にあります。
建物は全長約120m(妻側は約7m)と非常に細長い平屋造である。
面白いのはガラスで、黒と白のシルクスクリーンの印刷を施した合わせガラスになっていて
外から見るともやのかかったように見えるようになっています。
妹島氏の多くの作品はガラスに工夫が凝らされていて、インパクトの強いものが多いのですが
この建物は他と違って自己主張の少ない建物のような気がしました。
(用途が用途だけに目立ったらあかんかな。。) '03.7.8
2001 オペークナゴヤ
Opaque Nagoya
愛知県名古屋市中区
名古屋の中心部、栄にできたファッションビルである。
東京にあるオペーク銀座と同様、妹島さんがファサードのみの設計をしています。
東京ではのっぺりした平らなファサードだったのですが、名古屋では曲面を使っています。
この建物も夜になると光を放ち始めてすごく目立っていて、そして「OPAQUE」という文字が
浮かび上がるようになっています。
想像していたものより小さい建物だったのでちょっとびっくりしました。 '02.5.8
(追記)建て替えられて別の建物に変わってしまっています。
かんださんから情報をいただきました。 '15.3.18
2002 朝日新聞山形ビル
Asahi Shimbun Yamagata
Office Building

山形県山形市
朝日新聞の山形支社である。
写真を見てもらってもわかると思いますが、すごくのっぺりした建物です。
実際の写真なのにCGみたいです。現実感のない建物です。。
窓が明らかに開かないため外観は斬新ですが、中で仕事をする職員は
閉じ込められてるような気にならないのか心配です。
今回は光るファサードはやめたんですねえ。。 '02.9.29
2003 下御門ビル
Shimomikado Building
奈良県奈良市
奈良市で妹島さん設計の建物があるとの噂はちらっと聞いていたのですが、
半信半疑だったためこれまで紹介してませんでした。
こないだsanaさんから掲示板に書き込みをいただきまして、やはり妹島さんの
設計だということですので紹介することにしました。
細長い敷地に細長いアルミの外壁の建物が建っています。
建物用途は住宅と店舗のようで、細長い建物であるため、店舗は長い方の
立面の中央にある小さな入口から中に入って階段を上った所にあります。
人が歩くメインの観光通り側には入口がないのは、建物の形態上やむを得ないのかも
しれませんが、それでは店がそこにあることに誰も気づかないのでは?と思います。
また、この地域は伝統的な街並みを保存する地域に指定されていたと思うのですが、
よくこの外観で認められたなあ、と感心してしまいました。 '04.6.22
ディオール表参道
Dior Omotesando
東京都港区
表参道に最近どんどん建っている有名建築家設計のブランドビルの一つである。
ディオールのビルとしてはパリの本店と並ぶ世界最大規模だそうです。
そういや銀座のエルメスも規模が大きいですね。
日本人のブランド好きをつくづく感じさせられます。
建物は4面全てガラスで覆われているシンプルなデザインですが、
ガラスの内側にドレープ状にカーブさせたアクリルスクリーンを取り付けることによって
面白い表情を生み出しています。
他のブランドビルと比べて柔らかい優しい印象を受けるのは、
妹島氏がディオールの女性的なイメージをビルに表現するのに成功しているからでしょう。
ちなみに、ビルの上に取り付けられている星のオブジェは、
ディオール氏がラッキーモチーフと信じていた星のマークをデザインしたものだそうです。
'04.6.29
梅林の家
House in a Plum Grove
東京都
東京都の閑静な住宅街に建てられた個人住宅である。
敷地にあった既存の梅を残して建てられたため、この名称になったんだと思います。
外壁は断熱層があるため厚さ50mm、間仕切り壁は厚さ16mmという薄い鉄板の壁で
仕切られています。
建物内部は小さな部屋を数多くつくりながら、薄い壁に開けられた開口部や
吹き抜けによって全体が連続した空間となっています。
基本的に外部に面した部分以外は開口部にガラスや扉を設けていないため、
ワンルーム的な空間であることを強く認識できるようになっています。
壁が薄いことで隣りの部屋との距離が近くなり、さらに外部との距離も近くなっているため、
見学に行った時、あまりに内部空間との距離が近いことに驚いてしまいました。
感覚としては衝立で仕切ったすぐそこに生活空間がある感じでした。 '10.10.27
2004 金沢21世紀美術館
21st Century Museum of
Contemporary Art, Kanazawa

石川県金沢市
金沢の中心部、金沢大学附属小中学校跡地に建設された美術館である。
2004年最大の話題作だと思います。
直径113mの正円の低層の建物の上にボコボコと直方体や円柱が飛び出しています。
正円であり入口もたくさんあって自分がどこにいるかわかりにくい迷路状なところが面白いです。
無料ゾーンがかなり大きなスペースになっていて夜遅くまで開放しているため、
開かれた美術館であることがよく分かります。子供もたくさんいて楽しそうなのが印象的でした。
また、超メジャーな絵画を惜しげもなく無料ゾーンに展示してあったのには驚きました。
体験型の展示室が多数あったのも良かったです。
ジェームズ・タレルの展示室そのものを作品とした空間は「地中美術館」でも見たところ
だったので、ちょっともういいかな、という気がしました。。
光庭にあったプールは地下に行くと下から見上げられるのは面白かったです。
周りの芝生が建物に向かって緩やかに上っているのが建物をうまく魅せていました。
過去に「マルチメディア工房」を竣工からしばらくして見学に行って
ボロボロになっていてショックを受けた事から、今回の建物が積雪のある金沢で耐えられるか
心配だったので、竣工後出来るだけ早く美しい姿(?)を見に行きました。
この建物はいつまでも美しくあってほしいです。 '05.2.22
2005 鬼石多目的ホール
Onishi Civic Center
群馬県鬼石町
人口7000人の小さな町である鬼石町の中学校跡地につくられた施設である。
公開コンペで妹島案が最優秀案に選ばれて建築されました。
3つのアメーバのような全面ガラスによる建物がそれぞれの機能を持っていて
体育館、文化ホール、管理棟になっています。
階高の必要な体育館とホール部分は半地下とすることにより全ての建物を低層に
抑えています。
それぞれの建物が勝手に配置されているようで実は一定のルールがあり、
向かい合う壁は平行、入口も向かい合うように設置しているため、
一旦屋外に出て隣の建物に入っているのに連続する一つの屋内空間のような
錯覚を覚えます。
内部の床を外部と同じ打放し仕上げにしていることも錯覚を感じる理由だと思いました。
子供はきっとガラスの迷路を走り回って楽しく遊ぶだろうと思います。
ただ、建築に興味のない同行者が「面白いけどちゃっちいなあ。数年経ったら
ボロボロになってるんとちゃう?」と言ったことが非常に印象に残りました。
確かに数年後見に来るのが怖いような気もします。。 '05.5.11
2006 海の駅なおしま
Marine Station Naoshima
香川県直島町
アートの島として有名になった瀬戸内海の島、直島につくられたフェリーターミナルです。
フェリーで直島に近づくと長方形の大きく薄い屋根が見えてきます。
この巨大な屋根は細い柱と所々に配置された鏡面の壁で支えられており、
屋根の下はほとんどの部分がフェリー待ちの駐車場などの半屋外空間としています。
そして、ガラスの箱を不規則に配置し、フェリーの券売所や待合室、食堂などの
室内空間としています。
最近の妹島作品は曲面を使ったものが多かったのですが、
ここは非常に直線を強調したやや冷たさを感じるデザインとなっていました。
直島といえば、石井和紘(小学校や中学校など)→安藤忠雄(ベネッセの施設)という
建築家の変遷がありますが、これからは妹島さんの時代に変わるのかなあ。
'06.12.20
有元歯科医院
A-Dentist Office
岡山県
岡山県の閑静な住宅街の中につくられた歯科医院である。
正方形に近い形状の敷地中央にそら豆型の平屋の建物を配置し、
残りの部分をアスファルト舗装して駐車スペースとしています。
厚さ12mmの鉄板による白い外壁は妹島さんらしいデザインとなっています。
内部はベニヤと鉄板の表面にベニヤを貼った曲面の壁によって仕切られていますが、
ほとんどの部屋は完全に閉じられず緩やかにつながった一つの空間となっています。
中と外でかなり印象(雰囲気)が変わって面白い建物でした。 '07.5.15
2007 成城タウンハウス
ガーデンコート成城
UNITED CUBES

Seijo Townhouse,
Garden Court Seijo United Cubes
東京都世田谷区
成城の高級住宅街に建つ20個のキューブから構成される全14戸の集合住宅である。
それぞれのキューブは1フロアが1部屋になっていて、それが縦や横につながることで
住戸をつくり出すというシステムになっています。
キューブ間に出来た空間は植栽を設けることでセミプライベートな庭としています。
基本的には妹島さんがSANAAでユニットしている西沢立衛が設計した「森山邸」の
発展型と考えられます。
ただ、この建物は森山邸に比べて規模が大きくなり外壁がピンク色のレンガになっています。
透明感がウリの妹島さんがレンガというのは意外でしたが、ピンクは軽やかでよかったです。
'08.3.27
2008 大倉山の集合住宅
Okurayama Apartment
神奈川県横浜市
東急東横線大倉山駅のすぐ近くに建てられた9戸の集合住宅である。
平面的には長方形の四辺からアメーバ状の庭が内部に入った残りの部分が
建物となっており、さらに立面的には3層の中にピロティやテラスを様々に
配置させることで複雑な形態をつくり出しています。
住戸は全て専用の庭もしくはテラスを持った開放的なプランとなっています。
ほとんどの壁面が曲面である空間に住むってどんな感じなんでしょう。気になります。
'09.10.13
2009 Carina store
東京都港区
南青山界隈に建てられた子供服のブランドショップである。
全面ペアガラス張りの外壁周りに白いアルミのエキスパンドメタルが覆っています。
これまでの妹島さんの建築は全面ガラスで透け透けというイメージがあったのですが
今回はエキスパンドメタルによって微妙にしか見えないのが新鮮で良かったです。
夜は違う表情が見られそうなので今度は夜に行ってみよう! '11.2.18
2010 豊田市生涯学習センター
逢妻交流館

Toyota Aizuma Hall
愛知県豊田市
豊田市の郊外につくられた地域のコミュニティ施設である。
既存の施設が老朽化したことから移転新築したものです。
曲線で構成されたアメーバ状の平面が少しずつずれながら3層積み重なっています。
基本的に外壁はガラス面で構成されていますが、日射を調整するために一部に
エキスパンドメタルが設けられています。
内部はフリーハンドで描かれたような円形の諸室がつくられていて、
アメーバの残りの部分は広くなったり狭くなったりしながら回遊できる楽しい空間と
なっていました。 '10.5.5
葉山の小屋
Villa in Hayama
神奈川県
神奈川県に建てられたセカンドハウスである。
地上2階、地下1階の建物ですが、地上部は1・2階とも階高が4mを越えており、
基本的にワンルームとなっているため、非常にゆとりのある空間となっています。
1階部分は足元までガラス面となっており、床も内外部ともにレンガタイル貼りとして
連続性を持たせていて、住宅というよりテラス席のあるカフェといった感じでした。
道路側からの目隠しの曲面を描く壁面も直線的な建物に柔らかさを加えていてよかったです。
'11.7.2
2011 芝浦のオフィス
Shibaura House
東京都港区
芝浦に建てられた広告会社のオフィスである。
オフィス機能だけではなく1階はオープンスペースであったり、ワークショップスペースが
設けられていたりと、地域に開かれた施設となっています。
建物自体も開かれていることがよく分かるガラス張りとなっており、
天井の高い空間がスキップフロアや半屋外テラスなどを介してゆるやかにつながっています。
この広告会社さんは建物の多くのスペースをオフィス機能とはせずに開放しているって
すごいと思います。いい会社です(笑) '11.10.6
石神井アパートメント
Shakujii Apartment
東京都練馬区
石神井の住宅街につくられた長屋形式のアパートである。
成城タウンハウスのコメントで「透明感がウリの妹島さんがレンガというのは意外」と
書きましたが、今回はまさに透明感をウリとした妹島さんらしい建物です。
コルビジェのドミノシステムのような柱とスラブの建物を、水平や垂直にずらして並べ、
建物間に出来た空間を庭としています。
ガラスで壁を設けた部分が室内空間となり、設けなかった部分がテラスなどの
半屋外空間として使われるのですが、かなりの広さを半屋外空間としています。
前面道路を挟んだ向かいの敷地が空き地だったので今は気にならないと思いますが、
そこに建物が建つと視線が気になるかもしれませんね。 '11.12.16
土橋邸
Tsuchihashi House
東京都
都心の住宅密集地につくられた専用住宅である。
狭小敷地いっぱいに建てられた5層の建物で、階高は2070mmと低く
設定されていますが、それぞれの床に大きな開口部をずらしながら設けることで、
開放的な一体の空間をつくり出しています。
前面道路が非常に狭いため、建物全体を写すことがとても困難でした。
良い写真じゃないということで、それだけ密集地だとわかってもらえるでしょうか(笑)
'15.4.5
日立駅自由通路及び橋上駅舎
Hitachi Station and Free-corridor
茨城県日立市
JR日立駅の駅舎である。
日立市といえば妹島さんの出身地ということで、初期の代表作であるパチンコパーラーなど
いくつかの建物を設計されています。
ガラスの箱が複数の線路やコンテナ置き場をまたいでおり、東口と西口をつなぐ
自由通路としても機能しています。
自由通路の東端はガラスの箱が浮かんでいるような空間になっているのですが、
そこに設けられた「シーバーズカフェ」というパンケーキ屋は大人気で、ものすごい人でした。
見学に行ったときは茨城県北部のアートイベント「KENPOKU ART」が開催されており、
日立駅も虹色のカッティングシートで覆われたダニエル・ビュレンの作品となっていました。
'19.4.14
2012 宮戸島のみんなの家
Home-For-All in Miyatojima
宮城県東松島市
東日本大震災で被災した宮戸島の人々が暮らす仮設住宅の敷地内につくられた集会所である。
震災直後に5人の建築家によるボランティア団体「帰心の会」によって提案され、
被災各地に完成した「みんなの家」の一つです。
大きな楕円形の傘のような屋根がかかった建物は、内部空間よりも半屋外空間を
広くとっており、そこで人々が集い、交流できるようになっていました。 '17.10.9
2013 京都の集合住宅
Nishinoyama House
京都府京都市
京都市内の田畑も残るのどかな住宅街につくられた集合住宅である。
全10戸で構成されていますが、21個の片流れ屋根が重なり合うことで、
小さな建物が集まって全体が出来上がったかのような形態となっています。
高い視点から見ることができなかったので実感は出来ませんでしたが、
周囲の戸建住宅に対してボリューム感を感じさせないものとなっていました。
屋根付の半屋外空間や細い路地などが設けられているため、
街並みを散策するような空間となっていると思われます。 '14.1.23
Junko Fukutake Hall
:岡山大学J-Hall
岡山県岡山市
岡山大学の鹿田キャンパス内につくられたホールである。
210席のホール1を中心とした3つのホールや会議室を備えた施設となっています。
大小7枚の屋根が重なり合いながら一つの建物を構成しており、
壁面の多くをガラス面とすることで、明るく開放的な空間をつくり出しています。
これらの屋根は建物外部にも屋根下広場といったスペースをつくり出しており、
視覚的にも利用形態としても内外に連続する建物となっています。
壁面がガラスで存在感が薄いので、林立する白い柱が必死で大屋根を支えているように
見えました。 '14.5.14
2014 ヨシダ印刷東京本社
Yoshida Printing Inc.
Tokyo Headquarters
東京都墨田区
墨田区の北斎通りに面して建てられた金沢・東京を拠点とする印刷会社の東京本社である。
外壁をエキスパンドメタルで覆っており、緩やかに内部と外部の空間をつないでいます。
昼間は近づくと内部が見えますが、遠くから見ると閉鎖的な壁にも見え、
夜になると内部の光が漏れて、また別の表情を見せると思われます。
下見張りのような重ね張りをしていて、重ねの部分がヒダのようになっています。
個人的にこの外観は微妙な気がするんですが。。 '14.10.30
なかまちテラス
小平市立仲町公民館
・仲町図書館
Nakamachi Terrace
東京都小平市
青梅街道沿いに建てられた公民館と図書館の複合施設である。
エクスバンドメタルで覆われた複数のボリュームを組み合わせた建物となっており、
1階部分ではそれぞれが離れていることで、すきまに通路空間をつくり出しています。
各ボリュームは上層にいくほどつながっていき、3階では一つの大きな空間となっています。
1階にカフェがあるのですが、図書館から直接カフェにつながる階段があって、
図書館の本をカフェに持ち込めるようになっていたのが良かったです。
ただ、全体的に狭いという印象が強かったです。。 '15.7.27
2016 すみだ北斎美術館
Sumida Hokusai Museum

東京都墨田区
両国駅の近くにある公園内につくられた美術館です。
墨田区は葛飾北斎が生涯のほとんどを過ごしたそうです。
鏡面のアルミパネルの外壁は風景の映り込みや周辺環境に溶け込むことを意図しています。
建物はスリットが入っており、地上部分では通路となり、
様々な方向からのアプローチを可能としています。
常設展示に老人になった北斎と娘のリアルな人形があるのですが、
突然動いたのでびっくりしました! '17.5.11
2018 大阪芸術大学
アートサイエンス学科棟

Artscience Department Building,
Osaka University of Arts
大阪府河南町
大阪の郊外に位置する芸術大学の校舎である。
これまで高橋てい一さん率いる第一工房が多くの校舎を設計してきましたが、
今回は妹島和世さんが設計しています。
建物はアプローチの坂(芸大坂)を上り切った一番手前に建てられており、
波打つスラブが重なる丘のような、UFOのような形態をしています。
スラブは内外に連続していて、上下移動するスロープとして機能しています。
そのため、内外を行き来しながら移動できるという面白さがあります。
地上部は講義室等がいくつかある以外は吹き抜けの大空間で、主な部屋は
地下に設けられているというすごく贅沢なつくりになっていました。 '20.9.12


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