山本理顕のページ
Riken Yamamoto Architecture

先進的なデザインの建築家、山本理顕。
彼の作品の中で僕が見てきたものを紹介するページです。

作品 データ
1977 新藤邸
Shindo House
神奈川県
横浜市の住宅地につくられた専用住宅である。
山本理顕さんの初期の代表作「山川山荘」と同時期につくられた住宅である。
家型の建物に吹抜けの前庭や玄関、客間、家族室などが内包されています。
内部動線は、前庭から玄関、そしてジグザグに折れながら客間を必ず通って
家族室へと至るように設計されています。
見学に行くと、道路境界に植物が鬱蒼と茂っていてほとんど建物は見えませんでした。。
'11.12.29
1978 石井邸
Ishii House
神奈川県
周囲に農地も残るのどかなエリアに建てられた個人住宅である。
緩やかな勾配の屋根に下見張りの壁面で、側面は小さな窓が並んでいますが、
道路に面した北側は大きな開口部を設けています。
内部空間は北側に設けられた大階段のあるアトリエ兼応接が大部分を占めており、
プライベートな空間は大階段の下に隠されています。
大階段に突き出した塔状の書斎が大空間にアクセントを与えています。 '11.4.29
窪田邸
Kubota House
東京都
正面ファサードを印象付ける外部階段がインパクト大です。
4階建ての建物の各階に、この外部階段からアクセスできるようになっており、
1階:家族室、2階:キッチン、3階:玄関、4階:ゲストルームというプランになっています。
2階のキッチンへの入口は、いわゆる酒屋さんが来たり、ゴミ出しするような勝手口だと
思うのですが、3階の玄関入口と、ある意味同等の扱いなのは面白いです。
いまどき、勝手口に酒屋さんが来る家ってサザエさんくらいしか思い浮かばないですが(笑)
'15.12.3
1982 藤井邸
Fujii House
神奈川県
神奈川県郊外の駅前に建てられた診療所兼用住宅である。
低層部のRC造の上に木造が載っているという構成である。
斜面地であることを利用して奥にある家族室等の生活空間を道路側の診療空間より
半階分レベルを上げています。
中央に設けられた中庭はそこから更に半階上がって、道路側2階の寝室や子供部屋と
同レベルになっています。
建築雑誌等で見る竣工時の写真はRCの上に載る木のフレームが非常に美しい姿を
みせていましたが、その姿は既になくなっていました。
見学時は改修しているところだったようで単管が建物周囲に組まれていました。 '10.10.31
1985 小俣邸
Omata House
神奈川県
神奈川県の海が眺められる住宅街につくられた専用住宅である。
上部のポリカによるヴォールト屋根を見ると分かるように、この後に設計される
二つの建物(GAZEBO、ROTUNDA)の原型になったと思われる住宅です。
1層分階段を上がったところが1階となっていて、いわゆる供用部(ダイニングや
キッチン)が設けられ、2階に各個室が配置されています。
全ての部屋にデッキテラスが設けられ、外部と連続した空間となっています。
3階はバーカウンターのある望楼と名付けられた部屋とヴォールト屋根が掛かった
テラスになっていて、お酒を飲みながら景色を楽しむという最高に羨ましい場所が
つくられています。 '22.4.9
1986 GAZEBO
神奈川県横浜市 1988年日本建築学会賞
横浜市内の幹線道路沿いに建てられた雑居ビルである。
1階が店舗と駐車場、2階が貸事務所、3階が賃貸アパート、3階の一部と4階が施主の住宅という
構成になっています。たしか山本理顕さんが一番上に住んでると思います。
3階までがRC造でその上は鉄骨造になっていて、4階部分は中庭に面して部屋が配置されています。
基本的には1年後に近所につくられた「ROTUNDA」と同じですが、一番上にかけられたテントが
こっちのほうがシンプルです。「ROTUNDA」は傘みたいになってます。
ふたつの建物ともにファサードはステンレスメッシュになっていますが、
これがどうも汚く見えてしまう要因のような気がします。 '04.8.23
1987 ROTUNDA
神奈川県横浜市 1988年日本建築学会賞
横浜市内の幹線道路沿いに建つ店舗・事務所付き住宅である。
4・5階の専用住宅に設けられた列柱によって支えられた巨大なテントが象徴的である。
コンクリートによる壁や床といった都市的な建物に、テントというやわらかい素材を
持ち込むことによって優しさのようなものを付加したかったのではないかと思います。
テントはアジア的なイメージもあるような気がしました。
5年前の曇った日に見学に行ったときはすごくテントや建物が汚く見えたのですが、
久々に晴れた日に見に行くと美しくなったように感じました。
テント張替えたのかな。 '03.2.18
1988 ハムレット
HAMLET
東京都渋谷区
親子4世帯の集合住宅である。4世帯共有の部屋やテラスを持っている。
それぞれの住宅は外廊下で結ばれ、テント地の大屋根がかけられています。
最近はあまり見ないですが山本氏の当時の作品にはこのテント地がよく使われていました。
僕が見に行ったときは改修工事中だったらしく、ただでさえ足場っぽい外廊下に足場が組まれていて
すごくごちゃごちゃしてました。(写真参照)
ところで、なんでハムレットなのだろうか?シェイクスピアのハムレットのことなのだろうか? '01.10.4
1991 熊本県営保田窪第一団地
Hotakubo Housing
熊本県熊本市
熊本アートポリスによる集合住宅第一弾である。
よくある公営団地のパターン(同じ棟の連続など)からの脱却を求めて設計された団地であり、
真ん中につくられた共同庭を囲むようにして棟が配置されていて、それぞれの住戸にも快適な空間を
演出できるような工夫がされている(らしい)。
山本氏の設計によく見られるテント屋根(?)がここでもデザイン上の大きな役割を果たしてます。 '01.11.13
1992 XYSTUS(ジスタス)
神奈川県横浜市泉区
相鉄線緑園都市駅の駅前に広がる山本さんによる建築群「緑園都市」のうちの一つで、
駅の東側角地に一番最初につくられた建物である。
低層部をテナントスペース、上層部を集合住宅としていて、建物の中央に軸線を設け
通過動線として隣にある相鉄ライフとブリッジでつないでいました。
他の建物にも見られるガラスの大屋根がデザインのインパクトとなっていました。
'06.2.25
葛飾の住宅
House in Katsushika
東京都
都内の下町につくられた専用住宅である。
ガルバリウムの外壁に丸い開口部がコミカルな印象のファサードとなっています。
平面プランが特徴的で、半屋外の空間を挟んで道路側にプライベートな個室、
奥にリビングなどの共用スペースという一般的なプランを逆転させた配置としています。
半屋外の空間にはこの時期の山本理顕さんが多用していたポリカの大屋根が
掛けられています。 '15.3.18
1994 COTE a COTE
(コータ・コート)

神奈川県横浜市泉区
山本理顕さんが設計した建物が連続して建ち並ぶ緑園都市の建物の一つである。
8つの建物のうち一番最後に設計されました。
他の建物は全て道路に面して建っているのですが、これだけはPRADOとAMNISの間の
通路を奥に抜けた広場に面しています。
建物用途も他とは異なり、9つのスカッシュコートを持つ会員制の施設となっています。
スカッシュコートしに来る人がそんなにいるんだろうかと思いながら見学したのですが、
2007年頃に解体されてしまって現在はマンションになっているようです。。 '14.4.18
1996 岩出山町立岩出山中学校
Iwadeyama Junior High School
宮城県岩出山町
岩出山町の小高い丘の上につくられた中学校である。
最近の学校によく見られる教科教室型による設計がされています。
光のアーケードと呼ばれるアリーナと教室に挟まれた空間につくられた円弧状の羽根
(風の翼)がデザインのインパクトになっています。
初めてこの建物の写真を建築雑誌で見たときにすごい衝撃を受けた記憶があります。
僕がこれまで持っていた学校建築の固定観念を払拭した建物でした。 '03.3.11
山本クリニック
Yamamoto Clinic
岡山県岡山市
重度痴呆性老人デイケア施設としてつくられた建物である。
この建物の施主である山本氏は、過去にも山本理顕氏に「岡山の住宅」を設計依頼してます。
鉄骨による細長い直方体のフレームに駐車場の側面に木のルーバーをはりつけることによって
外からの視線を遮っています。
外観はかなりインパクトが弱いので見つけるのに苦労しました。
内部空間は大変暖かな色彩の部屋になっているのを雑誌では見たのですが、
中には入れませんでした。
木のルーバーも出来た当初は綺麗だったのでしょうが、現在はかなりボロボロに見えました。。
'01.12.26
2000 広島市西消防署
Hiroshima Nishi Fire Station
広島県広島市西区
「ひろしま2045事業」という50年後の広島に良い建築を残そうという企画が
被爆50年の1995年につくられ、その事業の一つがこの西消防署である。
透明な箱の組み合わせによる建築である。そして所々に赤がアクセントにつけてあります。
山本理顕得意のフレームによる建築なので、すごく周囲から浮いた建物だと思っていたのですが
意外とまわりに溶け込んでいてよかった。少しガラスが緑系だからよかったのかなあ。
しかし、いくら公共は透明性が大事だといわれているにしても、これは透明すぎるような。。 '01.3.5
2001 バンビル
Ban Building
新潟県新潟市
新潟市内に建てられた全13戸のワンルームマンションである。
1〜2階はテナントスペースで、1階は薬局、2階はおしゃれな感じのカフェが入っていました。
「サンルーム型水回り」と名付けられたルームプランは、通常もっとも条件がよいと
されている窓際に水回りを持ってきて、入口付近の使い勝手をよくする設計になっています。
しかし、そうしてしまうと室内に光が入ってこないんじゃないかと思うのですが、
水回りと居室の間をガラスで間仕切ることによって光が入ってくるそうです。
浴室からも外がよく見えるそうですが、逆に考えると外からも風呂入ってる姿が
丸見えじゃないんでしょうか。。 '04.10.31
東京ウェルズテクニカルセンター
Tokyo Welds Technical Center
静岡県沼津市
沼津の自然の中につくられた研究所である。
車を走らせていると突然ガラス張りの建物が現れてびっくりする感じです。
全面ガラス張りのため、中にある階段室、廊下は丸見えである。
廊下と部屋を隔てる壁には「TOKYO WELD」の文字が連続して書き込んであり、
外から見られることを想定したデザインであることがわかります。
研究所という閉鎖的なイメージのものを、閉鎖性を保ちつつ、
開放的に設計しているのはすごいと思いました。 '02.4.25
2002 Dクリニック
D Clinic
埼玉県
再開発によって移転を余儀なくされた医院の新築である。
駅前再開発にもかかわらず周りには建物はほとんど建っておらず、
このクリニックだけがぽつんと寂しくたたずんでいました。。
建物は1〜3階がクリニック、4、5階が住居になっています。
柱を外壁から2mほど内側に配置したことによりスラブが浮かんでいるように見えます。
そしてボックスがスラブの上に載せられているというシステムが外観からでもよく分かりました。
夜に見ると浮かんでいる様子が更によく分かるんだろうなあ、と思いながら見学しました。
ただ、一階部分の内部壁面に貼られた子供たちの写真が白黒なのがちょっと怖いです。。 '04.5.23
2004 エコムスハウス
エコムスファクトリー
Ecoms House
佐賀県鳥栖市
鳥栖市につくられたアルミ建築のモデルハウスと工場です。
山本理顕氏とSUS株式会社により開発されたアルミニウム構造で、
X型のパーツを嵌め合わせてつくった1.2m×1.2mのラチスパネルを建物外壁面に
市松模様に配置することによって構造体としています。
ラチスパネルの組み合わせによって多様なカスタマイズが可能となっているとともに
現場での施工等を容易にしています。
外壁の仕上げは断熱パネルやガラス、ルーバーなどをランダムに配置することにより
面白い表情を持つことになりますが、実際に住宅街にこのエコムスハウスが建っていると
かなり目立つだろうと思います。 '05.10.22
2006 横須賀美術館
Yokosuka Museum of Art
神奈川県横須賀市
三浦半島の東海岸にある観音崎公園内につくられた美術館である。
北側が海、それ以外の三方を山に囲まれた谷地につくられており、
傾斜を利用して建物の多くを地下に埋めています。
アールを描く白い鉄板の外側をガラスの箱で覆う二重構造としています。
「海の広場」と名付けられた屋上の芝生広場からは海を臨むことが出来るようになっています。
本館の東側に谷内六郎館があるのですが、展示室を移るのに一度外に出なければ
ならない理由がよく分かりません。
見学した時は雨が降っていたのでわざわざ傘を差さなければならないのが面倒でした。。
'08.1.20
2008 福生市庁舎
Fussa City Hall
東京都福生市
東京都の西部に位置する福生(「ふっさ」って読みにくい。。)市につくられた新市庁舎である。
旧庁舎が老朽化していたことから改築することになり、設計コンペにより
山本理顕さんが設計者に選ばれました。
2棟のタワー状の建物が並べられて、二つの棟は低層の建物でつながっています。
建物を2棟にすることで、旧庁舎を残したまま1棟をまず建て、移転をして旧庁舎を除却、
もう1棟を建築し、ふたつをつなぐ、という工程が可能になっています。
ふたつの棟をつなぐ低層部は曲面を描く屋上庭園となっていて、周囲の歩道と
連続する開放的な空間となっています。
山本理顕さんの設計としては珍しいタイルの外壁(妹島和世さんの成城タウンハウスでも
同じコメントを書いた気がする。タイルが流行ってるのかなあ。)や建物隅部、
屋上庭園とタワーのつながり部分の丸みが優しい表情をつくり出しています。 '08.10.31
ドラゴン・リリーさんの家
Dragon Lily House
群馬県
郊外の住宅地につくられた平屋の専用住宅である。
角地に建てられた台形平面の建物は外周をガラスのサッシとしており、
カーテンを引かないかぎり内部の様子が丸見えという大胆な設計となっています。
風呂や便所、寝室といったプライベートな部屋は道路側に設けていませんが、
ダイニングキッチンは道路側に配置されています。
建物内部は内側にくぼんだ曲面壁を5枚立てて諸室とし、壁に囲まれた中央の空間は
ラウンジと名付けられた放射状に外部へとつながるがらんとした場所としています。
丸見え(笑)を見に行ったのですが、残念ながらカーテンが引かれていました。 '14.6.16
2009 宇都宮大学
オプティクス教育研究センター

Utsunomiya University CORE
栃木県宇都宮市
宇都宮大学内につくられた光学技術の教育研究のための施設である。
キャノンと宇都宮大学との産学官による協同施設となっています。
建物外壁から少し離した位置にワイヤーを張って、そこから鏡面仕上げをした100mm角の
ステンレスプレートを市松模様に吊しています。
周囲の風景がプレートに映り込んだり、風でプレートが揺れることによって、波のような
揺らめきを見ることが出来て面白いです。
ただ、この立面操作は1面だけで、他の面はRC壁の普通の立面となってしまっていて
ちょっと残念でした。。 '12.10.5
2012 平田のみんなの家
Home-For-All in Heita
岩手県釜石市
釜石市平田地区の仮設住宅地内に建設された集会場である。
昼はカフェ、夜は居酒屋とすることで、仮設暮らしの人々や
地域の人々の憩いの場としてつくられました。
傘状の大きな屋根が特徴的で、夜になっても目立つように
屋根材は光を通すテント地が採用されています。
2021年2月に仮設住宅団地の解体とともに解体されてしまいました。
浄化槽の新設が必要になることから市が存続を諦めたそうです。。 21.5.16
2022 名古屋造形大学
Nagoya Zokei University
愛知県名古屋市
名古屋市の中心部につくられた大学校舎である。
以前は小牧市にあったものが名古屋市に移転整備されました。
地下鉄名城公園駅の真上にある敷地に建っており、掘削や荷重の制限などがあることから、
4つの柱状の建物が駅部分をまたがって空中で連結されています。
ピロティ状になった部分には基礎が小さくて済む小規模な建物が並んでいて
ちょっとした路地状空間がつくられています。
塀や門がなく、歩道からそのまま連続するアスファルトの床が
とても開放的なキャンパスとなっていました。もちろん勝手に大学内には入れませんが。。
'23.12.8


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