九州の建築

県名 作品 データ
長崎 1959 長崎水族館
武基雄研究室 長崎県長崎市
「古川市民会館」と並んで武氏の代表作である水族館です。
武氏は長崎市出身で、長崎県に多くの建築物を設計しました。
遠浅の海の入り江に面して水平性を強調した建物で、建物に直行する形でブリッジを通り
2階部分にたどり着くと、バルコニーから海が見渡せるようになっています。
外壁は五島列島でとれる五島石を張り付けています。
建物の老朽化や経済的な問題等により、閉鎖されてしまいましたが、
長崎総合科学大学が取得して改装等を行い、現在は大学の施設として利用されています。
アプローチ側半分は元の水族館の建物が残っていて、もう半分はかなり改装されて
いますが、建て替えせずに使うことを選択してくれて嬉しいです。 '04.11.9
1962 長崎市公会堂
武基雄研究室 長崎県長崎市
Docomomo100
長崎市の中心部に立つ市民のためのホールである。
建物前に広い空地がとられており、ゆったりとした敷地にどっしり立っています。
建物は角がダイナミックなキャンチレバーになっており、
側面はルーバーが設けられています。
たしか数年前にこの建物の今後について検討が行われ、
建物の価値の高さが評価されて存続することになったと記憶しています。
その後にこの建物がDOCOMOMOに選ばれたということは、
当時の結論が間違っていなかったことを示していると思います。 '06.4.24
1963 親和銀行大波止支店
白井晟一研究所 長崎県長崎市
白井氏が多くの建物を手がけた親和銀行の支店である。
長崎駅にも近い大通り沿いに面して建っているこぢんまりとした低層の建物で、
通りの喧噪を遮るような重厚で閉ざされた空間となっています。
3階部分は1973年に増築されたそうで、竣工当時はもっと低層だったみたいです。
曲面を持つ建物本体周りを回廊状にして、本体との間に水面をつくっています。
これまでいくつかの白井建築を見てきて、そのほとんどが周りに対して閉ざした
空間づくりをしていたと思っていたのですが、この建物は回廊と水面という
公共的な空間を設けていたことに少し驚きを感じました。
これぐらいの規模の作品を見ているとなんとなく気持ちが落ち着きます。 '05.5.22
1975 親和銀行コンピューター棟
白井晟一研究所 長崎県佐世保市
1960年代に白井氏が設計した本店の横につくられたコンピューター棟である。
本店が低層建築であるのに対してこれは高層の塔になっており、
諫早石による外壁はモニュメンタルな印象を強く受けました。
開口部にアクセントとして付けられた朱色の枠が外観を引き締めていました。
正面から見ると整ったデザインだなあ、と思いましたが、側面を見てびっくりしました。
側面はバラックな感じになっていて正面とのギャップがすごかったです。
'03.5.7
1980 長崎新聞本社ビル
黒川紀章建築都市設計事務所 長崎県長崎市
Kisho Kurokawa architect & associates/Nagasaki
明治22年に創刊した長崎県唯一の県紙「長崎新聞」の本社ビルである。
浦上駅の駅前に立っており、線路と浦上川に挟まれています。
本社機能以外に大小のホールや展示室、喫茶室などが併設されています。
この建物もそうですが、この時期(80年代前半)の黒川建築は角を面取りした
柔らかく包み込むような建物が結構ありますね。
ちなみに内部空間はどうも昭和な空気が流れているインテリアでした(笑) '07.10.22
1982 江上耳鼻咽喉科クリニック
葉デザイン事務所 長崎県長崎市
長崎市の中心部から少し離れた場所につくられたクリニックである。
13の直方体を段々に組合せ、片方の側面をガラスにすることによって
外部からの視線を避け、優しい光を採り入れることが出来る設計になっています。
近くで見るのと離れて見るのでは建物の印象が変わって面白いです。
裏側にまわると普通の住宅が張り付いていたのにはちょっと笑ってしまいました。
九州には葉さんが設計した病院がたくさんありますが、それぞれ個性的なデザインで
面白いです。 '03.3.5
1990 松下クリニック
葉デザイン事務所 長崎県長崎市
長崎市郊外の国道沿いに建つクリニックである。
二つの道路に挟まれた三角形の土地につくられていて
1階はピロティ、2、3階が鉄骨造によるガラス張りの診察室になっています。
北側にあるRC造のコアからの片持ちによってガラスの箱は支えられており、
斜めに出された引っ張り材が構造の緊張感を感じさせる外観になっていました。
絶妙のバランスによるデザインがかっこよかったです。 '03.6.10
1994 長崎港上屋(B棟) 北川原温建築都市研究所 長崎県長崎市
内港地区の人流・物流を集約するためにつくられた建物の一つである。
貨物倉庫として設計されており、ステンレスの表皮で包まれたような設計です。
包む設計が無機質なステンレスを柔らかく見せることに成功していると思います。
A棟やC棟と比べると小さくてデザインも奇抜でなく無表情な感じを受けますが、
他の二つを見た後にこの建物を見るとすごく落ち着いた雰囲気があって
好感が持てました。 '03.12.30
1996 潜竜ヶ滝駅
團紀彦建築設計事務所 長崎県江迎町
長崎県北部の町、江迎町につくられた無人駅の駅舎である。
文化会館、バス停、そしてこの駅と全て團氏の設計によりつくられたため、
田舎ののどかな雰囲気の中に突如あらわれた現代建築空間にびっくりします。
それら全ての建物がそうですが、この駅舎も白で統一された空間になっていて
シンプルな壁によってつくられており、横の円筒はトイレになっています。 '03.3.29
1997 鈴木木材工業本社 城戸崎和佐建築設計事務所 長崎県佐世保市
佐世保市の海がすぐ近くにある工業団地内につくられた木材関係企業の本社である。
会社で扱っている集成材を多用した建築物となっていて、
屋根をよく見ると多くのトップライトの三角が見えます。
平面プランは、中央に吹き抜けの多目的ホールを設け、挟み込むように
両側に事務室や会議室などの部屋を配置しています。
なぜか九州に城戸崎さんの作品が多く、一度見てみたかったのでここに来たのですが
企業の建物なので敷地に入ることが出来ず遠くから眺めるだけでした。
しかも、エントランスのある南側立面は道路からは見えず
側面のファサードしか見られませんでした。。 '06.1.14
1998 長崎港上屋(C棟)
マイケル・ロトンディ+三菱地所 長崎県長崎市
長崎港につくられた倉庫群のうちのひとつです。通称「ドラゴンプロムナード」といいます。
1階から3階までが倉庫になっていて4階が屋上庭園になっています。
庭園というか屋上デッキ、屋上通路と呼んだほうがいいかもしれません。
緑の外壁にオレンジの球体が色彩的に映えます。
行く前から気になっていた球体なんですが、ただのオブジェで中に入れないです。
がっかりしました。展望台にしといたらよかったのに。。
行った時は平日だったからか人は殆どおらず、唯一いた浮浪者の人が寝ていました。。
'03.3.11
2003 国立長崎原爆死没者
追悼平和祈念館

栗生明+栗生総合計画事務所 長崎県長崎市
1945年8月9日の原爆による死没者に対する追悼を表し、永遠の平和を祈念するとともに、
原爆の惨禍に関する世界中の人々の理解を深め、被爆体験を後代に継承することを目的に
つくられた施設で、被爆地である広島と長崎に設置されました。
原爆資料館の敷地内につくられ、地上部分はシラカシで囲まれた円形の水盤とそこから
飛び出したガラスの壁だけであり、水盤の周囲を歩いてエントランスから地下に入っていく
という動線になっています。
地下は、爆心地方向の軸線上に並べられた6本のガラス柱が並ぶ追悼空間が中央に
設けられていて、ガラス柱の間はトップライトになっています。
ガラス柱は地上の水盤上のガラス壁になっていて、地上まで突き抜ける設計は、
「伊丹市平和モニュメント」でもみられた手法でした。
ホワイエを挟んで追悼空間の向かいにはラウンジがあり、サンクンガーデンとなった
水の流れる中庭を眺められる穏やかな空間になっていました。
地下の空間は隣に資料館があるからかもしれませんが、被爆者の手記等の閲覧室は
すごく小さく追いやられている感じがしました。広島はもうちょっとその空間があったような。。
地上の水盤は夜になるとガラス柱の光と70000個の光ファイバーによって
昼間とは違った表情を見せ、夜の追悼空間となっていました。 '05.5.28
ナガサキピースミュージアム
古市徹雄都市建築研究所 長崎県長崎市
長崎市の中心部、幹線道路と駐車場に挟まれた極小の敷地に建てられた美術館である。
この建物は、さだまさし氏が戦後50年を機に平和について考える施設をつくろうと提案した
ことから始まり、募金活動などによって建築されました。
建物は、三角形平面を持つRCの閉じられた箱で、周りの喧噪を忘れさせるような
足下からの光とトップライトだけの細いアプローチを通って内部にアクセスするように
設計されています。内部は三角形のギャラリーのみで2階にも少し展示空間がつくられて
いるようでしたが、実際のところ2階は物置になっていました。。
1階のギャラリーは壁が開いて外部のデッキと一体的な利用ができるように設計されて
いますが、そのような使い方はできそうにない展示状態だった気がします。
感想はとにかく狭い!です。よかったのは瞑想できそうなアプローチだけかなあ。。
'05.7.17
佐世保新みなとターミナル
北川原温建築都市研究所 長崎県佐世保市
コンペで北川原氏が勝利した旅客船ターミナルです。
東西に長い建物の東側がターミナルで、西側は駐車場になっています。
駐車場上部を芝生による緑の丘としていて、スロープで上っていくことが出来ます。
丘自体は殺風景ですが、周りの景色を少し高い目線で楽しめました。
ターミナル部は東側立面の張り出した庇や内部に柔らかな丸みを持たせています。
リズミカルなパターンになった駐車場側の立面が軽やかで好きです。 '05.9.19
花みずき
レディースクリニック
伊藤恭行/C+A 長崎県長崎市
長崎市内につくられた4階建の産婦人科クリニックである。
南側は崖地に面していて北側と西側が道路に面した敷地に建っています。
道路に面した壁面はパンチングメタルで覆うことによって
道路からの視線を遮るように設計されています。
1階が駐車場、2階が外来診療、3階が手術室、4階が病室が配置されています。
階段室があることからガラス面が縦に連続する南西側から見るとかっこいいです。
最近建築家が設計する病院は産婦人科が多いような気がするのは僕だけでしょうか。。
'05.10.7
佐賀 1963 市村記念体育館
坂倉準三建築研究所 佐賀県佐賀市
佐賀城跡に立つ体育館である。
元リコーの社長であった郷土出身の市村清さんが寄贈した体育館だそうです。
打放しコンクリートで、ギザギザな柱が立てられ、楕円形の屋根を吊り構造により
架けられています。見る角度によって印象が変わる設計になっています。
屋根からの水を落とすための滑り台のようなデザインがかっこよかったです。
この時代の坂倉事務所の作品は力強くて良いです。 '03.4.6
1966 大隈記念館
今井兼次 佐賀県佐賀市
早稲田大学を創設した大隈重信の記念館である。
同じ敷地内には重信の生家が保存されています。
曲面によるRC打放しが特徴的で、外観は荒々しく(特に側面がすごいです)
そして内部はなめらかでとても美しいです。
正面にある赤のステンドグラスは、大隈氏の愛用のガウンの色をイメージしているそうです。
有田焼の陶片が埋め込まれた内壁など造形のこまやかさが
今井氏らしくてすばらしかったです。小さな建物ながら見所が盛りだくさんでした。
'03.11.4
1970 佐賀県立博物館
第一工房+内田祥哉 佐賀県佐賀市
1970年日本建築学会賞 Docomomo100
佐賀県の文化ゾーンである佐賀城跡につくられた博物館である。
県鳥の「カチガラス」や県樹の「楠」をイメージして設計されたものだそうです。
「カチガラス」とはどんな鳥か調べると、鳴き声がカチ・カチ・カチと聞こえるそうで、
カラス科でカラスより小型、正式名称は「カササギ」だそうです。
カチガラスに似ているかはともかくとしてもこの建物は構造的にすごいです。
十字型の平面プランでキャンチレバーによって持ち上げられ、
建物全体に浮遊感を与える設計になっています。
エントランスを入った中央ホールから階段を上り、それぞれの展示室にアクセスする
動線計画になっていました。
これだけ明確に構造のすごさを見せつけている建物も少ないと思います。
かなりカッコよかったです。 '03.6.12
1976 ホテルニューオータニ佐賀
黒川紀章建築都市設計事務所 佐賀県佐賀市
Kisho Kurokawa architect & associates/Saga
佐賀市にあるニューオータニである。佐賀城跡のお濠沿いに立っています。
細長い建物で、ねずみ色の外壁に切妻屋根という和風に仕上げられており
お濠越しに見る建物は落ち着いた雰囲気を醸し出しています。
内部は外観の和とは違って現代的な内装に仕上がっていました。
低層部が一部増築されているようでしたが、あれは紀章氏ではないのかな。 '03.3.8
1977 嬉野温泉和多屋別荘
タワー館
黒川紀章建築都市設計事務所 佐賀県嬉野町
Kisho Kurokawa architect & associates/Saga
佐賀県で最も有名な温泉である嬉野温泉、その温泉街にある和多屋別荘という
旅館のタワー館である。
高層の建物は周りに全くないためタワー館(12階建て)は嬉野のランドマークと
なっているようです。
和多屋別荘という旅館は結構有名なところのようで、僕が見学に行ったときも
次から次へとお客さんが到着していました。
面白かったのは足湯喫茶と呼ばれるもので、足を温泉に入れながらコーヒーなどが
飲めるという場所が設けられていました。
タワー館の外観はちょっとした駅前のビジネスホテルといった感じなのですが、
部屋はどうやら温泉街にふさわしく和室になっているようでした。
ただ、てっぺんにつけられた「和多屋別荘」という看板と
「ブライダル披露宴予約受付中」の垂れ幕はちょっとやめてほしかった。。 '03.6.27
1994 中冨記念くすり博物館 チェッコ・ボナノッテ 佐賀県鳥栖市
鳥栖市の東部につくられた薬に関する博物館である。
この博物館がある一帯は、江戸時代に「田代売薬」として栄えた場所であり、
歴史的な意味でもこの博物館がつくられました。
売薬といえば「富山の薬売り」がとても有名ですが、ここや奈良県でも栄えていたそうです。
建物の設計者はイタリアの彫刻家であるチェッコ・ボナノッテですが、
どういう経緯で彼が設計をすることになったのかはよく分かりません。
外観は石とガラスを使った力強さを感じる幾何学的な設計になっていて
中庭から見るととてもかっこよいです。
晴れた日なら傾斜したガラスに反射する光がまぶしくてよかったと思うのですが、
あいにくの天気で、ガラスに流れる雨が洪水のようでした。。 '03.8.14
1996 副島病院
手塚貴晴+手塚由比(手塚建築研究所) 佐賀県佐賀市
佐賀城の外堀に面した細長い敷地に建つ病院である。
道路に面する北側に設備などを持ってきたり開口部を少なくすることで騒音を遮断し、
遊歩道に面した南側はほぼ全面ガラス張りになっています。
南面はルーバーバルコニーになっていて、日光のコントロールだけでなく
プライバシーを守るための設計にもなっています。
シンプルに見えますが、患者のことをすごく考えた設計だと思います。
腰壁のない病室はすごく快適だろうなあ、と思いながら遊歩道から病院を見ると、
植栽とルーバーで遮られて内部は全く見えなくなっていて、
確かにプライバシーは完全に守られていました。 '04.3.15
1999 酒井医院
Sakai Clinic
村上徹建築設計事務所 佐賀県唐津市
Toru Murakami Architect & Associates/Saga
唐津市の中心に立つ医院とデイケアの複合医療施設である。
変形敷地に建てられたL型平面を持つ建物で、医院とデイケアのそれぞれに
エントランスを設け、中央に理学療養室を配置しています。
2階部分のカーブする壁面に穿たれた穴が面白い表情をつくり出していました。
ちなみにこの医院は非常に繁盛しているらしく、建物周りは来院者の車で
埋まっていて、うまく写真が撮れませんでした。。 '08.9.26
2001 JR九州神崎駅
青木茂建築工房 佐賀県神崎町
九州で主に活動しているリファイン建築家、青木茂さん設計の駅舎である。
神崎駅は有名な吉野ヶ里遺跡への玄関となっている駅です。
青木茂さん設計ですが、珍しく(?)リファインではありません。
もっと落ち着いた建物を設計するのかと思っていたのですが、
これはかなりアクロバティックなデザインになっています。
線路をまたぐ回廊にもなっている駅舎の内部はガラス面を多用しているため
明るく快適な空間になっていて、高校生がベンチに座ってくつろいでいました。 '03.3.25
2004 エコムスハウス
エコムスファクトリー
山本理顕設計工場 佐賀県鳥栖市
鳥栖市につくられたアルミ建築のモデルハウスと工場です。
山本理顕氏とSUS株式会社により開発されたアルミニウム構造で、
X型のパーツを嵌め合わせてつくった1.2m×1.2mのラチスパネルを建物外壁面に
市松模様に配置することによって構造体としています。
ラチスパネルの組み合わせによって多様なカスタマイズが可能となっているとともに
現場での施工等を容易にしています。
外壁の仕上げは断熱パネルやガラス、ルーバーなどをランダムに配置することにより
面白い表情を持つことになりますが、実際に住宅街にこのエコムスハウスが建っていると
かなり目立つだろうと思います。 '05.10.22
2005 西有田町タウンセンター
NKSアーキテクツ+桃季舎 佐賀県西有田町
山間の町役場の建替えプロジェクトである。
傾斜した敷地に東西に長い建物を配置し、道路に面した建物南側に段々の棚田広場を
設けて、建物南面を全面ガラスにより外部に開いています。
1階は建物中央を南北に貫くエントランスホールを挟んで左右に無柱の大空間をつくりだし
事務室と町民ホールにしています。
また、2階には図書館、3階には議場などが設けられています。
建物内部で特に目立つ乳白色ガラス部分はクレーンと名付けられた構造体で、
天井を支えるとともに、階段としての利用やトップライトからの自然光を採り入れるための
役割も担っています。
南面の2階部分、北面の中2階部分の大きな張り出しや、東面のバス待合へのブリッジが
ダイナミックでかっこよかったです。ちょっとクレーンはごてごてしていますが。。 '05.7.9
宮崎 1966 都城市民会館
Miyakonojo Civic Center
菊竹清訓建築設計事務所 宮崎県都城市
Kiyonori Kikutake/Kikutake Architects/Miyazaki
都城市にある多目的ホールである。
下部のコンクリートとそこから放射線状に延びる黒い鉄骨、そして鉄板から成る。
彼のメタボリズムの思想を具現化した作品でもあり、変わる部分(鉄板や木)と
変わらない部分(コンクリ)に素材を分けて計画されています。
60年代の菊竹作品の力強さをこの作品からも十分に感じ取ることができます。
元々は屋上に舞台と客席があったらしいですが、増築により現在は撤去されている
そうです。 '02.9.25
(追記)新たに建設された総合文化ホールが2006年10月に開館することや
老朽化を理由に解体の話が出ています。。
これほどダイナミックなすばらしい建築はほとんど無いと思うので
是非とも別の用途への変更などで存続させてほしいです。 '05.12.21
(追記2)保存の芽が出てきました! 南九州学園が大学施設としての貸与を申し入れたそうで、
市長も前向きに検討しているみたいです。 すばらしい、南九州学園!! '07.10.31
(追記3)保存が確定しました!市が南九州学園に20年間無償貸与するそうです。 '08.1.5
1971 宮崎県総合博物館
坂倉準三建築研究所 宮崎県宮崎市
宮崎神宮の森の中に建つ総合博物館であり、
広場に面して県民文化ホールと対峙するように建っています。
外観は落ち着いたタイル張りで、ピロティに設けられた大階段を通ってアプローチします。
展示は、自然史、歴史、民族の三つの展示室があり、ジオラマなどを使っていて
小学生の遠足にはもってこいの内容でした(笑)。
竣工当初は美術部門もあったようですが、平成7年に県立美術館がオープンしたため、
平成10年に行ったリニューアル後は美術部門が無くなっています。 '05.5.26
鹿児島 1994 鹿児島大学稲盛会館
安藤忠雄建築研究所 鹿児島県鹿児島市
ついに行ってきました鹿児島大学!見てきました稲盛会館!
稲盛会館の「稲盛」とは京セラの会長である稲盛さんから取ったもので、
鹿児島大学出身である稲盛さんがこの建物を寄付されたそうです。
安藤氏が提唱し続けていた球形ホールがこの建物で実現されています。
そして球体が建物から一部飛び出すように設計されたファサードが特徴的でした。
ホワイエ空間も彼が得意とするスロープがふんだんに使われた吹抜けの快適なものでした。
'02.8.19
霧島国際音楽ホール
槇文彦/槇総合計画事務所 鹿児島県牧園町
通称「みやまコンセール」と呼ばれる音楽ホールである。
霧島の山に囲まれた自然の中にたたずむようにたっています。
少し不恰好に見える外観もなかなか味があるように感じました。
いつも思うのですが、槇氏の建物は周りのランドスケープがすごく良く、
この建物も自然をうまく生かしたアプローチなどが考えられていてよかったです。
夕方に行ったら、見学時間を過ぎていたにもかかわらず、
たまたま入口を閉めるのを係の人が忘れていたために中を見せてもらえました。
ラッキーでした。そして時間外に中を見させてもらってありがとうございました。 '02.9.25
1995 ホテル京セラ
黒川紀章建築都市設計事務所 鹿児島県隼人町
Kisho Kurokawa architect & associates/Kagoshima
鹿児島空港に近い隼人町につくられたホテルである。
付近に京セラ関係の施設(工場や事務所等)がたくさんあります。
楕円形のシンプルな外観ですが、円弧部分をカットしてガラスのカーテンウォールで覆っています。
カーテンウォールの内部は高さ60mの大アトリウムになっており、
中央に三角錘形の教会が配置されています。
2001年には隣にアネックスが増築され、デッキによって行き来が出来るようになっています。
そのデッキ部分は現代建築に不釣合いとも思える縄文遺跡ミュージアムになっていました。
いつも思うのですが、これほど大きなホテルをつくってお客さんは来るのでしょうか? '02.12.11
1999 霧島アートホール 早川邦彦建築研究室 鹿児島県栗野町
霧島の西部、栗野岳の中腹につくられた芸術施設「霧島アートの森」、
その核施設としてつくられたのがこの「霧島アートホール」である。
「霧島アートの森」は霧島の自然を満喫しながら、野外彫刻を楽しむことが
出来る施設であり、「箱根彫刻の森」などとよく似た施設である。
建物は面取りした直方体のチューブがぼてっと芝生の上に置かれたもので
外観はメタリックで宇宙船のような雰囲気を出していますが、あんまりいけてません。
ただ、内部は白を基調にした快適な空間で気持ちが良かったです。
エントランスを入ったすぐにあるトイレ(男)は小便器のある壁が透明でダクトなどが
見えているのは面白かったです。 '03.5.30
鹿児島カテドラル
ザビエル記念聖堂
坂倉準三/坂倉建築研究所 鹿児島県鹿児島市
日本にキリスト教を伝えたフランシスコ・ザビエルが最初に上陸した地、鹿児島に
つくられた旧教会の建て替えである。
中央に象徴的な鐘楼を設け、旧教会を意識してか外壁は木のようなRCになっています。
ハイサイドライトは色ガラスにパンチングメタルを重ねており、内部に降り注ぐ光が
時間や季節によって複雑に変化するように設計されています。
教会は都会の喧噪を忘れさせる静謐な空間ですが、ここも光の効果によって
その印象をより強めることに成功していました。 '05.11.7
2001 mci
有馬裕之+Urban Fourth 鹿児島県鹿児島市
鹿児島市の中心部より少し離れた場所に建つ病院である。
たしか産婦人科だったと思いますので、僕は容易に近づくことができません(笑)
設計は最近の僕の注目度No.1である有馬氏です。
この人の設計は妹島さんの作品とビジュアル的には似ているような気がします。
有馬氏は別に妹島事務所出身じゃなく大手ゼネコン出身の人ですが。。
この建物はアルミやガラス、木といったパネルを複雑に並べることによって
おもしろい外観をつくりだしています。
入口前に均等に並べられた白いポールもデザイン上有効に働いていました。 '03.2.24
沖縄 1958 聖クララ教会
St. Clara Church
片岡献+SOM 沖縄県与那原町 Docomomo100
Ken Kataoka+SOM/Okinawa
与那原町の海を臨む丘の上に立つ教会及び修道院である。
アメリカの大手設計事務所SOMの監修の元で在日米陸軍技術部隊建設部に
所属していた片岡献が設計したそうです。
簡素な外観なのに対して内部は南側の壁面がステンドグラスになっていて、
非常にカラフルで明るい空間をつくり出しています。
祈りの場は畳敷きに木製ベンチという面白い取り合わせになっていました。
突然見学に行ったにもかかわらず快く見学させてくださって非常にありがたかったです。
'07.6.5
1970 那覇市民会館
Naha Civic Hall
金城信吉/現代建築設計事務所 沖縄県那覇市
Kinjo Nobuyoshi/Okinawa
那覇市につくられた大中二つのホール、会議室などを持つ多目的施設である。
沖縄を代表する建築家、金城信吉の代表作でもあります。
建物は赤茶色のレンガタイルによる庇に覆われており、その所々に開口が設けられ、
中央には2階へ続く大階段が伸びています。
大階段を上ると建物向こうまでルーバー状の屋根を持つプロムナードが続き、
その左右に大ホールと中ホールが配置されています。
大きな庇や1階ロビーの石積みの壁などは沖縄の伝統的な民家の特徴を採り入れた
もの(雨端、ヒンプン)だそうです。
竣工から40年近く経って庇の赤レンガが味わいのある色を出していました。 '08.2.27
1975 海洋博覧会記念公園水族館
槇文彦/槇総合計画事務所 沖縄県本部町
1975年に開催された沖縄海洋博覧会後に整備された記念公園内の施設である。
博覧会時にはどのような施設だったのかは分からないですが、その後水族館になりました。
連続したアーチによるアーケードが特徴的な施設で、内部空間にもこのアーチが使われています。
老朽化と小規模であるということで2002年に新水族館がつくられたため現在は閉鎖されています。
新たな利用が望まれますが、このままでは解体されてしまうのではないでしょうか。。
菊竹さん設計の「アクアポリス」のような悲しい結末だけは迎えないでほしいです。 '03.1.22
今帰仁村中央公民館
NAKIJIN Community Center
象設計集団 沖縄県今帰仁村
atelier Zo/Okinawa
沖縄県北部の村につくられた公民館である。
コの字型に配置された平面内に9mを単位としたいくつかの正方形のスペースが設けられ
講堂、読書室、事務所などに当てられています。
その周囲を276本の真っ赤なコンクリートブロックの柱が囲い込み、
全体に大屋根が架けられています。
柱列の空間は沖縄民家によく使われたアマハジと呼ばれる緩衝空間がモチーフになっていて
内と外の空間をあいまいにすることに成功しています。
コンクリ打放しの屋根の上には木製トラスを載せることによって、
そこを亜熱帯性植物が覆うことをもくろんで設計されています。
柱列空間の床に石を埋め込んで文字をつくっていたのが手づくりという感じを受けてよかった。
'03.8.17
1984 浦添市立図書館
内井昭蔵建築設計事務所 沖縄県浦添市
浦添市のカルチャーゾーンとして整備が進められた地域につくられた図書館である。
外観は打放しコンクリートによる外壁と赤瓦屋根で形成され、
エントランスへ続くアプローチは花ブロックの柱とパーゴラによって特徴づけられていました。
内部はエントランスホールを挟んで左右に分かれ、児童図書室と一般閲覧室になっています。
天井は連続するトップライトが設けられていて、開放的な雰囲気を与えていました。
しかし、同じ設計者によってつくられた美術館がデザイン的にインパクトが強かったため
少し印象が薄くなってしまいました。 '04.4.17
Festival(フェスティバル)
安藤忠雄建築研究所+国建 沖縄県那覇市
那覇の中心部、国際通り沿いにつくられた商業施設である。
地上8階、地下1階の箱形の建物で、中央に8層の吹抜けが設けられています。
沖縄の風土を考慮した穴あきブロックなどを多用しており、自然の風や光を内部に
とりこむ設計がなされています。
現在はOPAになってしまっており、外壁や内部の壁にペンキが塗られてしまってます。
しかも外壁は国際通り側だけ塗ってて側面や裏側はそのままという中途半端な状態です。。
建物屋上にはガジュマルが植えてあるのですが、元々はなかったテントが設けられていたりして
ちょっと荒廃した状態になっていたのが残念です。
なんとなくこの屋上は不良な高校生がタバコ吸ってそうな廃れ方でした。。 '07.3.3
1987 那覇市立城西小学校
原広司+アトリエφ 沖縄県那覇市
首里城の守礼門のすぐ近くにある小学校である。
景観に配慮した設計になっていて、守礼門側の建物は平屋になっていて
外観も沖縄の集落をイメージした赤瓦葺による屋根が採用されています。
それに対して運動場側はRCによる近代的な建物になっていて対比が面白いです。
各教室に設けられたトップライトのデザインもかわいくて良かったです。 '03.4.17
1989 浦添市美術館
内井昭蔵建築設計事務所+かみもり設計 沖縄県浦添市
浦添市の城跡につくられた美術館で、小高い丘の上にあります。
起伏の激しい敷地に11の塔を並べ、それらを回廊で結んだ設計になっています。
基本的なデザインは世田谷美術館のそれを周到したものになっていました。
行ったときに驚いたのは入館者の多さです。外にすごい数の人が並んでいて
一時間待ちの状態でした。これほど並んでいたのは大阪でフェルメール展を
見に行って以来でした。沖縄の人はすごく芸術に興味がある人々なのでしょうか。
'03.4.1
1990 沖縄県庁行政棟
Okinawa Prefectural
Government Headquarters

黒川紀章建築都市設計事務所 沖縄県那覇市
Kisho Kurokawa architect & associates/Okinawa
旧庁舎敷地の再開発による建替えによってつくられた県庁舎である。
警察棟と議会棟も同一敷地内に建設されたが、黒川氏設計は行政棟のみである。
沖縄の歴史・伝統及び自然と建築との共生がテーマとして設計されたそうです。
高層化を行うことによって周囲に緑地公園を作り出すというコンセプトであるが、
ボリュームが大きくてあまり緑地公園に近づく気にはなれないような気が。。
'03.1.15
1994 佐敷町文化センター
シュガーホール

真喜志好一 建築研究室DAP 沖縄県佐敷町
沖縄県本島南部にある佐敷町につくられたホールである。
「シュガーホール」という愛称は周りがサトウキビ畑であることから名付けられました。
サトウキビ畑の中から飛び出したホールは遠くからでもよく分かり、
ランドマーク的な役割を担っているようでした。
ホール前に広場をつくり、その広場を囲い込むように回廊を配しています。
実習室や図書室などがその回廊に沿って並べられています。
回廊上部は屋上空間になっており、ステージなどが設けられていました。
スロープからアプローチする屋上の空間がデザイン的にもすばらしかったです。 '03.3.4
1997 那覇市立壺屋焼物博物館
真喜志好一 建築研究室DAP 沖縄県那覇市
300年ほどの歴史を持つ焼物で有名な壺屋につくられた焼物博物館である。
細長く湾曲したファサードが特徴的なコンクリ打放しの建物です。
建物に沿って右手に続く階段を登っていくと建物3階からも外に出ることのできる
石畳の広場に通じています。
この広場には沖縄県庁建設時に発掘された窯が展示されていました。
建物の階段側はガラスが多くつくられていて、建物内部も階段になっているため
ガラスを挟んで内外が一体になったような不思議な感覚になりました。
焼物専門の博物館だけあって内部は焼物が非常に多く使われていて、
特にトイレは壺屋焼の陶芸家がデザインしたタイルや陶器が使用されており
美しい空間になっていました。 '04.3.25
1999 沖縄イエス之御霊教会
福村俊治+空間計画VOYAGER 沖縄県沖縄市
密集した住宅地の東西に長い土地につくられた教会である。
斜面地に石積みがされていて、その上に潜水艦のような外観がそびえています。
格子状のガラス屋根と列柱の並ぶパティオを挟んで、西側が礼拝堂、
東側が牧師の住宅となっています。
パティオと礼拝堂はガラスによって仕切られ、礼拝堂内部は船底のような形をしています。
見学に行ったとき、外観は潜水艦、内部は船底に見えたので、
この建物のテーマは「船」なんだと勝手に決め付けていました(笑)
建物全体が清潔な白で統一されていてすごく気持ちのよい空間をつくりだしていました。
'03.6.13
沖縄県平和祈念資料館
福村俊治+team DREAM 沖縄県糸満市
沖縄戦の大激戦地であった場所に建つ平和祈念資料館である。
平和祈念公園として整備された場所であり、平和の礎や慰霊の塔などもあります。
旧資料館の建替えコンペの当選案である。
赤瓦屋根が連続する姿は原広司さん設計の「那覇市立城西小学校」にも通ずる
集落をイメージさせるデザインになっています。
公園全体が平和の火を中心とした同心円になるような設計になっていて
この建物も同様に同心円上に配置されています。
建物内部に入ると列柱の並ぶ大回廊の広さと白さに圧倒されました。 '04.10.25
2003 国立劇場おきなわ
高松伸建築設計事務所 沖縄県浦添市
浦添市の海に程近い場所につくられた劇場である。
沖縄の伝統芸能である組踊や琉球舞踊、沖縄芝居等の保存振興を図る拠点施設として建設され、
大小のホール、稽古場、スタジオの他に沖縄の伝統芸能を展示する展示室もあります。
特徴的な反り返る外壁は沖縄の伝統的な竹垣(チニブ)をモチーフにしたものだそうです。
最近のあまり魅力を感じない高松建築の中ではかなりの出来だと思いますが、
往年の高松建築らしさからは遠い建物なのが残念です。 '07.11.11


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