ドイツの建築
Architecture in Germany

作品 データ
1963 ベルリン・フィルハーモニー
・コンサートホール
Berlin Philharmonic Concert Hall
ハンス・シャロウン ドイツ ベルリン
Hans Scharoun/Germany
同設計者による図書館やミースによる新ナショナルギャラリーなど、文化施設が
集積するゾーンにあるコンサートホールです。
世界最高峰オーケストラの一つ、ベルリン・フィルの本拠地として建設されました。
戦争によって前のコンサートホールが破壊されたことから、新たな施設として
建設されたのですが、設計コンペにおいてハンス・シャロウンの案を当時の
芸術総監督であったカラヤンがいたく気に入って推したそうです。
黄色に輝く金属パネルに覆われた外観は美しいです。
中央に舞台があり、その周りを客席が囲むというワインヤード形式のホールとしては
世界初でした。 '16.10.22
1978 バウハウス・アーカイヴ
Bauhaus Archive
ワルター・グロピウス&アレック・クヴィジャノヴィッチ
ドイツ ベルリン
Walter Gropius & Alec Cvijanovic/Germany
「バウハウス」の遺産を収集・展示するためにつくられた資料館である。
「バウハウス」はいわずと知れた1919年にワイマールで創設された造形芸術学校で、
その創設者でもあるワルター・グロピウスがこの建物を設計しています。
元々この建物はダルムシュタットの敷地を想定してグロピウスが設計したもので、
その後、ベルリンに敷地を変えて、クヴィジャノヴィッチが完成させました。
外観の特徴である連続するハイサイドライトがとても美しく、
スロープが建物の上部を通って反対側へ抜けられる設計も良かったです。
また内部における半地下を使った展示室がすばらしく、
谷口吉生もこの手法をよく使っていたことを思い出しました。
ただ、展示の関係上だとおもいますが、ハイサイドライトは完全に殺された状態に
なっていたのが残念でした。 '03.11.7
1984 フランクフルト見本市会場
トーア・ハウス
Frankfurt Fair Tor House
オズワルト・マティアス・ウンガース ドイツ フランクフルト
Oswald Mathias Ungers/Germany
フランクフルトの飛行場跡地につくられた広大な見本市会場の中央につくられた建物である。
南北に貫く鉄道によって東西に分断された見本市会場をつなぐ役割を果たすために建設されました。
二つの線路敷によってつくられた三角形の敷地に建っており、低層部と高層部に分かれています。
低層部は敷地形状に従った三角形平面を持ち、東西立面をガラス張りとしています。
その上に石張りの薄っぺらい高層部が載り、頂部にはさらに薄いガラスの箱が貫入しています。
建物名称の「トーア」とはドイツ語で「門」を意味しているそうで、その名の通り高層部は
門型に切り取ったガラス面としていました。
メッセ敷地内を歩けば近いと思い中央駅から歩いて向かったのですが、
メッセ期間外は敷地に立ち入れなかったため、外周をまわって行ったらかなり遠く
一番撮りたいベストポイントにたどり着いた時にはヘロヘロになっていました。。 '05.9.23
ドイツ建築博物館
German Architecture Museum
オズワルト・マティアス・ウンガース ドイツ フランクフルト
Oswald Mathias Ungers/Germany
フランクフルト市街を流れるマイン川沿いに立つ博物館である。
19世紀のヴィラを改装しているため、外観では現代建築という要素が見えにくいです。
しかし、低層部にエントランスホールが新設されていて、内部に入ると全面ガラスの
トップライトによる空間が非常に開放的なので、外観とのギャップに驚きました。
ヴィラ自体の内部も大改変がなされていて、4層分の新たな建築が中につくられています。
まるで現代建築が歴史的なヴィラという衣をまとったという感じです。
そして最上階にはシンプルな切妻屋根の建物の形をした展示空間がモニュメントのように立っています。
現代建築好きは外観だけで入るのをやめてしまいそうですが、内部が良いですから
是非入ってみてください。 '07.10.9
ヴィルヘルムシュトラッセの集合住宅
Residential Building at Wilhelmstrasse
アルド・ロッシ&ジャンニ・ブラギエリ ドイツ ベルリン
Aldo Rossi & Gianni Braghieri/Germany
ベルリン国際建築展(IBA)によって建設された集合住宅である。
IBAによって建設された集合住宅は数多くあり、この建物の周りにも立ち並んでおり、
まさしく建築の展覧会といった街並みが形成されています。
アルド・ロッシは日本でも多くの設計をしているので馴染みがあり、カラフルでポップな
色調とデザインが一般的にイメージするヨーロッパの街並みに合っている気がします。
実際のヨーロッパの街並みは全然違いますが。。
コーナーの部分に真っ白な円筒が建てられているのがデザインのアクセントとなっていました。
'12.4.10
1985 ラウヒシュトラッセの
シティ・ヴィラ

City Villas On Rauchstrasse, Building
ロブ・クリエ ドイツ ベルリン
Rob Krier/Germany
世界最大の建築展IBAによってつくられた集合住宅である。
南ティーアガルテン地区にあり、中央の大きな中庭を囲むように
8つの集合住宅が配置されているうちの一つがこの建物です。
大通りからここを訪れるとまず正面に見えるゲートのような建物で、
白いファサードの中央に胸像が飾ってあり威厳を感じさせます。
この胸像下の通路をくぐると広々とした中庭に出ることができ、
裏側の立面を見ると正面の白とは対照的なレンガ調の表情を見せていました。
建物平面は中庭を中心とした円弧状の両端に正方形をつないでいて
円弧部分に4戸、そして正方形それぞれに4戸の12戸となっています。
この地区全体に言えることですが、非常に自然を取り込んでいて
散歩する人や中庭でくつろぐ人がたくさんいてすごく快適でした。 '05.3.13
フランクフルト工芸博物館
Museum for the Decorative Arts

リチャード・マイヤー ドイツ フランクフルト
Richard Meier/Germany
フランクフルトの市街を流れるマイン川沿いは美術館・博物館通りと名付けられており、
多くの美術館、博物館が立ち並んでいますが、この博物館もそのうちの一つです。
公園の中に建っており、マイヤーらしい白の建物は周囲の緑に映えていました。
三つの正方形を並べ、少し軸線をずらしたような平面プランになっていて、
既存建物であるヴィラとブリッジでつないでいます。
内部も白にガラスを多用した明るい空間で、吹抜けのスロープ等とても快適でした。
残念だったのは、サインが整備されていないらしく、ガムテープを貼って手書きで
書いてあったのが、空間の美しさを台無しにしていました。。 '15.8.20
1987 コッホシュトラッセの集合住宅
Social Housing At Kochstrasse
ピーター・アイゼンマン ドイツ ベルリン
Peter Eisenman/Germany
チェックポイント・チャーリーのすぐそばにつくられた集合住宅とベルリンの壁博物館である。
ベルリン国際建築展(IBA)のコンペによってできた作品である。
外観は様々な色をしたグリッドの重ね合わせによるスーパーインポジションになっています。
それぞれのグリッドには複雑な意味が込められているそうですが、
難しすぎてちと理解しがたい部分があります。。
コーナー部分は建物を微妙にずらすことによって面白い表情を作り出していました。
完成から15年以上経っているためか、手入れが悪いせいか、当初の淡いグリーンや
白の壁はすべて薄汚れた灰色になってしまっていたのが残念でした。 '04.2.21
1988 シャルロッテン通りの集合住宅
Housing At Charlottenstrasse
ジョン・ヘイダック ドイツ ベルリン
John Hejduk/Germany
ベルリン国際建築展(IBA)によりつくられた集合住宅の一つです。
中央に14階建てのスタジオ棟を設け、挟み込むように左右に6階建ての住居棟が立っています。
住居棟妻側のファサードを見るとすぐに分かりますが、緑色の庇や窓、ベランダによって
人間の顔を表現しているんだと思います。
山下和正さんの「顔の家」みたいに建物名称がまさに!というワケではないですが、
明らかに確信犯だと思います。
なんとなくこの顔達が哀愁を漂わせているように感じたのは、舗装されていない荒れた土地を前に
この建物が立っていたことと、見学中に遠くで不気味な叫び声を聞いてしまったからでしょうか。
それともベランダから飛び出たパラボラアンテナが鼻の穴に見えてしまったからでしょうか(笑)
'07.7.15
ベルリン科学センター
Berlin Science Center
ジェームズ・スターリング ドイツ ベルリン
James Stirling/Germany
ベルリンの中心部、名建築も多く並ぶエリアにつくられた研究施設である。
すぐ隣に建つミースの「ナショナル・ギャラリー」が黒の鉄骨とガラスというモノトーンな建物なのに対し
こちらの建物はパステルカラーのピンクとブルーのシマシマ模様となっています。
建物外観からは「こども科学館」なんかがぴったりのような優しい表情をしていますが、
実際は政府の研究施設ということで立ち入りが出来ない建物になっています。
このパステル調の新築部分のインパクトが強くて見逃しがちですが、南側にある既存建物の改修も
行っており、それらの建物が中庭を取り囲むように配置されています。 '11.11.30
1990 ドイツ郵便博物館
German Postal Museum
ギュンター・ベーニッシュ ドイツ フランクフルト
Gunter Behnisch/Germany
フランクフルトの中心を流れるマイン川に沿った通りに建てられた博物館である。
同じ通りには歴史的な邸宅を改装した博物館がいくつか並んでおり、
ここも既存棟に対する別棟の増築計画となっています。
地上部にはエントランスとカフェのみが入った小さな建物となっており、展示室は
地下に大空間を設けています。
地上の建物の側面に斜めに突き刺さったように見えるガラスが地下へのトップライトと
なっていて、吹き抜けによって地下3階まで光が差し込むようになっています。
展示内容は郵便博物館ということでデザインの美しい電話などが置いてあって
なかなか面白かったです。 '12.10.15
リュッツォー広場の集合住宅
Residential Park on Lutzowplatz

マリオ・ボッタ ドイツ ベルリン
Mario Botta/Germany
ベルリン国際建築展(IBA)によりつくられた集合住宅の一つです。
公園を挟んで向かいにはオズワルト・マティアス・ウンガースの集合住宅が建っています。
角地に建つ建物は、頂部をオープンスペースとしており、レンガタイルの外壁に
規則的に正方形の窓が並び、ストライプの円柱が立てられた姿は
マリオ・ボッタ建築らしさがよく表れています。 '15.2.11
1991 フランクフルト近代美術館
Museum Of Modern Art, Frankfurt
ハンス・ホライン ドイツ フランクフルト
Hans Hollein/Germany
フランクフルトの中心部、すぐ近くに大聖堂がある場所に立つ美術館である。
交通量の多い道路に囲まれた三角形の敷地につくられた建物であるため、
敷地鋭角側から見ると船のようにも見えますが、地元の人々からは敷地と
建物形状から「ショートケーキ」と呼ばれているようです。
クリーム色と赤茶系の外壁は非常に落ち着いていますが、
段々にセットバックさせた部分に彫刻を配したり、壁に人形が張り付いていたりと
外観が既に美術館になっていました。
内部空間は数多くの部屋が設けられていて、それらを複雑に繋いでいる階段室等も
光を上手く使ったホラインらしいデザインとなっていました。 '06.10.1
メッセ・トゥルム
Messe Turm
ヘルムート・ヤーン/マーフィ・ヤーン ドイツ フランクフルト
Helmut Jahn/Murphy/Jahn/Germany
フランクフルト見本市会場の東端にそびえる超高層のシンボルタワーである。
超高層ビルを得意とする建築家ヘルムート・ヤーンによるスマートなタワーは
赤い花崗岩の壁面が上部へ伸び、先端付近でガラスのシリンダー状へと変化し、
最頂部はピラミッドが載っています。
メッセのエントランスとなっている建物周囲には、低層の建物以外に名古屋市美術館にも
いたジョナサン・ボロフスキーの「ハンマリング・マン」が立っていて賑やかな空間をつくり出していました。
'08.7.7
1993 シュトレゼマン通りの集合住宅
Housing At Stresemann Strasse
ザハ・ハディド ドイツ ベルリン
Zaha Hadid/Germany
ベルリンに建築されたIBAの集合住宅である。
ザハ・ハディドの実作としては「ヴィトラ社消防ステーション」に続く第2作目です。
通りに沿って伸びる低層部と交差点につくられたタワー部から構成されていて、
高層部は深緑色の外壁が傾斜する独特な形をしています。
中庭側にまわると、赤や黄色のカラフルな色彩とシャープな角部のデザインが
通り側とは違った表情を見せていました。
ただ、どうもザハ設計の他のデコン建築の印象から考えるとパワーが弱い気がしました。。
'05.12.9
1994 カントドライエク管理ビル
The Kantdreieck Administrative Building
ヨーゼフ・パウル・クライフス ドイツ ベルリン
Josef Paul Kleihues/Germany
ベルリン国際建築展(IBA)を仕切ったドイツ建築界の大御所クライフス設計のビルである。
平面計画は、正方形の高層棟と直角三角形の低層棟がくっついた鎌のような形をしてます。
面白いのは、高層棟の上部にはウルトラセブンのアイスラッガーのようなオブジェが
刺さっていて、これが風によって向きを変える風見鶏になっていることです。
外壁のデザインは、低層部全体と高層部の下部を石張りで統一していて、
それに対して高層棟の上部はメタリックになっています。
傾斜したサンクンガーデンには水が流されていて、さすが!という設計です。
外観を見ていて思ったんですが、黒川紀章さんの設計に似てないですか?
'04.6.11
ゲシュヴィスター・ショル・シューレ
Geschwister Scholl Schule
ギュンター・ベーニッシュ ドイツ フランクフルト
Gunter Behnisch/Germany
フランクフルトの北郊外に位置する学校の増築である。
建物のすぐ隣を走る自動車道路からの騒音等を遮断するために
道路側には開口部を少なくし、反対側(「ト」の字型平面プランの鋭角部)から
アプローチするようになっています。
エントランスを入るとトップライトから差し込む光が心地よい空間になっていて
そこから各教室へとアクセスします。
建物先端部は外観を特徴付ける鋭角な壁が立てられているのですが、
おそらく竣工時は鮮やかであった色がくすんでいて少し悲しい感じになってしまっていました。。
'10.6.19
ヴィトラ社工場
Vitra Factory Building
アルヴァロ・シザ ドイツ ヴァイル・アム・ライン
Alvaro Siza/Germany
家具会社ヴィトラ社の工場敷地内につくられた建物である。
ヴァイル・アム・ラインはドイツ領ですが、スイスのバーゼル郊外といった位置になります。
この工場敷地はヴィトラ・キャンパスと名付けられていて、有名建築家がデザインした
建物が多数点在しています。
レンガによる暖かみのある建物となっていますが、この建物の目玉は、隣の建物への
渡り廊下につくられた屋根で、必要に応じて上下するようになっています。
湿気を感知して雨の時は自動で下がると何かで読んだんですが、
県学時には雨が降ってこなかったので確認できませんでした。
見学ツアーではかなり簡単な説明しかしてくれなかったのです。。 '14.10.3
1995 ピーク&クロッペンブルク・ビル
Peek & Cloppenburg Building
ゴットフリート・ベーム ドイツ ベルリン
Gottfried Bohm/Germany
ベルリンの大通りに面した角地に立つデパートである。
規則正しく並ぶコンクリートの柱と上部の屋根型フレームによるファサードは
硬い印象になってしまいそうですが、フレームの間に設けられたガラス面が
庇のように斜めに張り出すことで柔らかい表情を与えていました。
同じ時期に同じくベルリンに建てられたジャン・ヌーベル設計のギャラリー・ラファイエットも
デパートですが、同じガラスのファサードを持っていても全然雰囲気が違います。 '08.12.17
1996 ギャラリー・ラファイエット
Gallery La Fayette

ジャン・ヌーヴェル ドイツ ベルリン
Jean Nouvel/Germany
ベルリンの繁華街であるミッテ地区につくられた百貨店である。
ギャラリー・ラファイエットはパリに本店を持つ老舗の百貨店なので、
フランスの建築家ジャン・ヌーベルが設計したのかと思いきやコンペで決まったそうです。
外観はシルクスクリーンを用いたガラスで覆われた曲面を描く艶めかしいもので、
ヌーベルらしさが出てます。夜の姿は見てませんが内部の光が透過してきて美しいそうです。
内部は建物中央に1階から屋上まで続く円錐形のアトリウムがあり、さらに1階から地下4階まで
逆円錐形の吹き抜けが設けられています。
この円錐のガラス表面はホログラフィ・フィルムで覆われているため、
さまざまな色が反射する美しい空間となっていました。
買い物をする気がなくてもこの内部空間は一見の価値有りです!! '08.2.5
1997 コメルツバンク本店
Commerzbank Headquarters
ノーマン・フォスター ドイツ フランクフルト
Norman Foster/Foster+Partners/Germany
フランクフルトの銀行街に建てられたドイツ最大級の銀行の本社ビルである。
フランクフルトは高層ビルがかなり建ち並ぶ街ですが、
この建物はひときわ高く、300m弱、60階建てのランドマークとなっています。
平面は正三角形で、それぞれのコーナーはコアになっており、
さらにコアを含んだ垂直の柱により各層を支えていることから
オフィスは無柱空間になっています。
超高層ビルにもかかわらず窓の開閉による自然換気が可能
(すごい技術によって可能になっているらしいです)であったり、
オフィスにスカイガーデンと名付けられた空間を取り入れたりと、
快適に仕事が出来そうですが、見上げているとあんなに高いところで
働くのはちょっと怖そうでした。
低層部分が開放されていて、快適さが少し体験できました。 '04.9.27
1998 ユダヤ博物館
Jewish Museum
ダニエル・リベスキンド ドイツ ベルリン
Daniel Libeskind/Germany
リベスキンド初の建築作品として有名な博物館である。
灰色の亜鉛板の外壁に切り裂かれたような開口部が特徴的である。
入口は隣接するベルリン博物館にあり、そこから地下道を通って
ユダヤ博物館にアプローチする設計となっています。
博物館の地下に辿り着くと、3本の廊下が交わっており、ひとつは最上階まで続く階段、
ひとつはコンクリート柱の並ぶ中庭に通じる廊下、そしてもうひとつは行き止まりになっていて
そこに扉があり、入ると、建物の高さだけの吹き抜けの空間になっていて、
天井にある小さな隙間からかろうじて光が入るようになっています。
それぞれの空間に深い意味があるそうですが、簡単に理解することは不可能な建物でした。
「ライヒスターク」のときも驚きましたが、入るときの荷物チェックがすごく厳しいです。
さすがドイツ!という感じでした。 '04.1.2
ベルリン証券取引所&商工会議所
Berlin Chamber of Commerce
ニコラス・グリムショウ ドイツ ベルリン
Nicholas Grimshaw/Germany
ベルリン市内につくられた証券取引所と商工会議所の複合施設である。
大きさの異なる鉄骨のアーチを15個並べたトンネル状の建物になっており、
10階建ての建物の3層以上はアーチからの吊り構造となっています。
当初の設計は東西の壁はアーチをなぞった曲面とする計画だったようですが、
規制により西面は垂直になってしまい、アーチが見えなくなってしまっています。
ベルリンの人には「アルマジロ」と呼ばれているそうですが、やっぱり僕にはトンネルに見えるなあ。
'09.9.29
1999 DG Bank
フランク・O・ゲーリー ドイツ ベルリン
Frank O Gehry/Germany
ベルリンのブランデンブルク門近くにある銀行である。
神戸での「フィッシュ・ダンス」以来、久々のゲーリー作品見学になりました。
既存のビルを改修したものであるため、外観はそれほど特徴的ではないですが、
内部がすごいです。
中に入るとアメーバ状のガラスをトップライトとした吹き抜けの空間が少し見学できます。
よく見るとこのアトリウムは会議ホールになっていて、僕が見学したときもちゃんと会議を
していました。
ここを見た後「ライヒスターク」のキューポラからこの建物を見ると、フィッシュ・ダンスの
イメージが強いからなのか、どうも魚のうろこと尾びれに見えて仕方がなかったです。
'03.10.31
ドイツ連邦議会新議事堂
ライヒスターク

The New German Parliament, Reichstag
ノーマン・フォスター ドイツ ベルリン
Norman Foster/Foster+Partners/Germany
パウル・ヴァロットが設計して1894年に完成したドイツ帝国初の議事堂ビルの改修プロジェクト。
第二次世界大戦末期の1954年にソビエト軍に攻撃され、しばらくの間放置されていましたが、
改修を行うとともにドイツ議会がオフィスとして再使用を始め、東西ドイツの統合に伴い、
1992年にコンペが行われました。
このコンペ時の案とは全く違う形ではありますが、10年の歳月をかけて完成しました。
外観は既存の建物を保存しているため特徴的な上部のキューポラ以外に現代建築的な要素は
見受けられませんが、内部に入ると完全に新しいデザインになっています。
キューポラは直径40mのガラス張りで、真下にある議場に自然光が入るようになっています。
そのため下の議場の様子がキューポラから丸見えという状態です。
キューポラの内壁沿いには構造補強にもなっている螺旋のスロープが巡っていて
景色を楽しみながら次第に上っていくことができます。
キューポラ中心部には逆円錐のミラーガラスによるオブジェが吊されていて議場の天井に突き刺さってます。
ここはメジャーな観光名所となっていることと非常にチェックが厳しいため内部に入るのに
すごく並ばなければならなかったです。1時間ぐらい待っていたのですが、前に並んでいたラテン系の
男女グループはその間なにかを話しながら、ずーーっと笑いまくっていたのが印象的でした。
こっちは段々イライラしてきていたのに彼らの大らかさには驚きました。 '04.12.15
在ベルリン・北欧諸国大使館
The Embassies of the Nordic Countries
ベルゲル+パルキネン ドイツ ベルリン
Berger+Parkkinen Architekten/Germany
ベルリンの大使館街につくられた北欧諸国の大使館である。
ベルリンの壁の崩壊により全ての北欧諸国が急遽、大使館をつくる必要性が
生じたため建設されました。
この建物は、北欧5カ国が共同で建設した大使館になっており、コミュニティ施設も含めて
6つの建物が連続する1枚の銅の薄層で包み込まれています。
この銅の薄層は約4000枚の同一形状の薄板から構成されているそうで、
所々が水平や45度に開かれていました。
この銅の薄層はカッパー・バンドと呼ばれているそうですが、僕はこの名前を聞いたとき、
エメラルドグリーンの外壁が河童の色をしているからカッパー(河童)・バンドと呼ぶんだな
とアホなことを考えていました。。 '04.4.3
2003 ドイツ歴史博物館展示ホール
German Historical Museum Extension
I.M.ペイ ドイツ ベルリン
I.M.Pei/Germany
歴史的な建物である「ドイツ歴史博物館」の増築である。
本館がある大通りからはその存在が見えませんが、本館横の路地を入ると
ガラスの螺旋階段のファサードが突如現れてきます。
内部に入ると、地下まで続く巨大な吹き抜けのホールがあり、
エスカレーターを降りて地下から本館につながるという動線になっています。
増築した建物は、展示室とオーディトリウムもあるのですが、
オブジェのようなガラスの螺旋階段と巨大ホールがほとんどを占めているという印象でした。
円形に切り取られた壁面やガラスのカーテンウォールなど、建築見学にはすごく良いですが
展示空間という意味で言えばすこし少なくないでしょうか。。 '04.7.17


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